なんでも、ノゴマが通過中だとかで、1日に数回5~60m先の湿原の中の枯れた低潅木に留まるのを待ち続けているのだという。なぜか広い湿原の林間コースを通る木道(=戦場ヶ原自然観察路)の一部開けた場所なのだがこのホンの100mのエリアだけ野鳥(ノビタキ)が多い。比較的湿原の真ん中を流れている湯川の支流が木道沿いに寄っているので、水や餌になる昆虫類が多いのかもしれない。
木道からほんの3~4mの所までノビタキが寄って来る。バーダーさん達は上から見下ろして野鳥を間近に撮影できると最初はシャッターの連写音でうるさいが、すぐにノビタキに飽きて静かになる。しかし日がな一日と言っても朝7時から昼の11時前後までで午後から夕方にはノビタキも何処かへ言ってしまう。あれだけ居たノビタキが一羽も居ない。夕方はシーンとして野鳥の声のしない静寂の中の戦場ヶ原に戻っている。2日間とも夕方も巡回したがまったく同じだった。
バーダーの皆さんが目を皿のようにして探していたノゴマは昨年7月北海道・根室で散々シシウドの上に留まっているのを撮影したが、下手をするとスズメより多いのではないだろうかと思われるほど沢山居た。本来野鳥が好きで、じっくり観察したければ、あるいは撮影したければ沢山居る所まで出向けば良いと思うのだが・・・。撮影者も野鳥の生態や姿に興味を引かれて撮影するのか、人が出遭えなかった珍しい野鳥を撮れた悦びを優越感で自慢するのか・・・色々な人が居るようだ。
さて、今日のレポートはそのノゴマ。
広い湿原でノビタキとノゴマが同居している。まるで北海道状態?しかし赤い木の実の付いた樹木に留まるノゴマも珍しいかもしれない。
こういった緑の低潅木に留まる姿もあまり見かけない。メスも傍に居るらしいが繁殖期のように寄り添っていてくれないと、なかなか判らない。
まだ木の実は付いているが、天敵を警戒しやすい湿原の真ん中に生えている木の実は12月には殆ど食べつくされてしまうようだ。