2020年5月16日土曜日

この週末は大手の倒産ニュースで大変! This weekend is a big news for a major bankruptcy!

 あのシルビー・バルタンが「イエイエー♪」とコマーシャルで踊りながら歌ったレナウンが倒産だという!
 数日前J Crew(米国ハイソ系ファッションブランド=オバマ元大統領夫人・ミッシェルがご贔屓で有名)の倒産が発表され、幾つか製品を持っていた筆者も驚いたものだった。著名なブランドがこの先危ないとは思っていたが、まさかレナウンとは思わなかった。
https://www.youtube.com/watch?v=QOSBA-ARpqo&feature=youtu.be&fbclid=IwAR0kPlSqim9Y_6egGCGtlji_HasYeI2S359GHSLF5KcLoCVmmobsM3GSj90

https://www.fashionsnap.com/article/2020-05-01/jcrew-preparing-bankruptcy/

 今朝になって流通でも米国大手百貨店 J.C.Penny がニーマン・マーカスに続いて倒産というニュースが入ってきた。ホノルルやマウイ島カフルイに在ったお店に幾度か行った事が有る。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200516-00000035-kyodonews-bus_all 
 アパレルのブランド・メーカー、ならびに大手流通・百貨店が倒産となると、間違いなくこの波は日本へ押し寄せてくるだろう。

 此の倒産!という言葉は筆者にとっても決して遠い言葉ではない。1978年4月、自分が初めて世の中に出た時に勤め始めた青山のVAN(=ヴァン ヂャケット)が倒産した。世の中・メディアはロッキード事件の丸紅ルート(VANへのメイン資金提供会社)追及の真っただ中だった。
http://yamasemiweb.blogspot.com/2015/07/blog-post_11.html

http://yamasemiweb.blogspot.com/2015/07/blog-post_12.html

http://yamasemiweb.blogspot.com/2015/07/blog-post_18.html

 その数年後転職して4~5年間務めた銀座の中堅(当時売り上げ国内上位15位以内)広告代理店・中央宣興が21世紀に入って倒産した。一生の間に勤めた会社が二社も倒産する経験をするというのはそうあまりない事だろう。二度あることは三度ある・・とよく言うので、35歳から定年まで在籍した博報堂も、いつ倒産の憂き目に遭うか判ったものではない。筆者が世の中何が起きても驚かないのは、歳のせいだけではない。

 此のレナウンという会社、筆者がVANに在籍していた頃は、青山の神宮前に在って大きなアパレルメーカー、オンワード樫山と肩を並べる存在だった。
 メンズの世界でも、レナウン・ダーバンはフランスのアラン・ドロンを広告に起用して超人気だったし、一方のオンワード樫山は当時「刑事コロンボ」で人気のあったピーター・フォークをマッケンジーの広告に起用し、アパレル業界は相当羽振りが良かった。


 当時このアランドロンやピーターフォークのコマーシャルを見ながら「洋服を選ぶのになぜ有名俳優のコマーシャルが必要なのだろう?」と幾度も思った。価値観や生活感の全く違う世界の人々の衣食住だと思った。

 筆者が所属していたヴァン ヂャケットはTV媒体で不特定多数の消費者へアプローチするタイプのブランドではなかった(=VAN Kent Wranglerなど)ので、宣伝・販促方法もこういった大手とは質も規模も異なっていた。

 しかしいずれにせよ、「服・着るもの」がまだ人間生活のステイタスシンボルだった遠い20世紀の話だ。洋服のステイタスをユニクロが壊し、時計やネクタイが男のステイタスシンボルから陥落して久しい現在、名前だけが大きくて、歴史が長いというだけでイメージを保ってきた有名どころがこの先バタバタ倒産しそうな気がする。

 メーカーではオンワードしかり、ユニクロしかり、一時期注目を集めた45rpmなど後追いブランドとの差異が価格帯だけ・・の様な世界は非常に危ないだろう。

 一方、米国大手百貨店 J.C.Penny の倒産は、三越・伊勢丹はじめ、高島屋、大丸・松坂屋など老舗の百貨店も似たような環境だけに相当危ないような気がする。特に店頭売り上げより外商の比重が高い老舗は、Amazonはじめネット系の通販にその市場を奪われつつあるので、危機感はより強いと思うがどうだろう。

 東急、西武、京王、小田急、東武、阪神、阪急、名鉄など電鉄系は沿線住民含めて鉄道が軸の関連会社の社員家族の消費力(割引特典が多い)で何とかコロナ危機を乗り越え、持つような気もする。

いずれにせよ、身近な飲み屋だのライブハウスなど百万円レベルの水商売の経営者の「嘆きインタビュー」ばかり流すメディア・マスコミは、今後の基幹産業の復興をどうとらえるか、どう予測するか注視してみたい。