昨日のこのブログは、今日から7月13日(木)まで調布文化会館「たづくり」2F南ギャラリーで行われる写真展「私たちと野鳥の楽園・野川」をプロデュースする写真家・佐藤秀明さんのごくごく一部をその出版された写真集でご紹介した。
本番開始の今日のブログでは、写真集は勿論だが、その写真への向き合い方、撮影時の予備調査、被写体を観察するそのプロセスなど、筆者が相当影響を受けた部分に関して述べてみたい。
佐藤さんはシャッターを押す前に相当時間を掛けて被写体を観察されるとみている。
この時間を掛けてというのは具体的に何分・何秒という事ではなく、普通ならあっと言う間にアングルを決めてシャッターを押す所を、光と、被写体の様子とタイミングを充分計って撮るような気がしている。
例えばこれ、同じビーチで同じサーファーが波の様子を見ている。この時の流れ、波の違いを2つのカットで表現する佐藤さん。普通の人はこれに気が付かないだろう。
筆者はその頃まだ佐藤さんもその作品も全く知らない。片岡義男の角川文庫の写真も他の写真家さんが撮ったものだとばかり勘違いしていたくらいだもの。
筆者は筆者で1980年~2005年の間、自分自身ウインドサーフィンをやる事にハマっており、国内に居て週末風が上がれば間違いなく休みを取ってでも葉山の森戸神社裏でカッ飛んでいた。
同時に広告代理店の仕事としてオアフ、マウイ、カウアイへ出かけ、ウインドサーフィンの国際プロ大会をプロデュース、NHK・BSへその映像を売るなど、多方面の仕事をしていた。いわば遊びと仕事の境が無い、ずるい生き方をしていた頃だ。
取材やイベント運営でマウイに居る際(実は38回も業務でハワイに出張している)はカナハやスプレックルスビル、時にはキヘイでウインドに乗っていた。その他オアフではダイアモンドヘッド、ノースのモクレイアで乗った。いずれも仕事がらみだ。
当然、滞在中仕事の時は大会の様子やプロたちのライディングやジャンプを撮影もしていた。雑誌ターザンの編集をお手伝いした際は、オレゴン州のフッドリバー、コロンビア川峡谷、いわゆるコロンビア・ゴージでモデルとして乗った。夢のような時代だった。
21世紀になり、佐藤さんとコミュニケーションを取れるようになって、「えっ?」「あっ!」という様な場面に幾度もぶつかっている。
サーフィンとウインドサーフィンの違いとは言え、同じビーチでの佇まいなどを似たような観点から撮影していることが判って、驚くと共にレベルやセンスは雲泥の差なのだが、何か熱いものを感じたのだ。