総理大臣経験者まで参考人聴取を受ける今回の2020TOKYOの一大スキャンダル。相当根が深いと思って良いが、何処までメディアなり関係者が内情を公開できるか否かは、今後よく見て行かなければ、いつの間にか消えていくだろう。
決して元電通だの現電通だの、大広だの、スポンサーを探し競技大会=イベントを主催するスポーツ団体に協賛金を集めるといった、広告代理店だけではなく、オリンピック組織委員会、JOCに至るまで関係したいわゆるスポーツビジネスを生業とする主要関係者全員にやましい部分があると見ている。実際に各個人が不浄の金や特権を得なくても・・。
こういった類は江戸時代、いやそれ以前から日本にはあった「利権構造」そのものだ。年に数度ある「お祭り」の類の出店営業に、地回りと称するヤクザの前身、地元の「顔=自営団組織」のような連中が喧嘩や盗人で出店の営業が妨げられるのを取り締まる代わりに、「寺銭=出店保証」としたなにがしかの金銭を徴収する・・・これと全く同じ仕組みなのだ。これだけなら、今でもよくある大型展示会・見本市の出展料と同じなのだが・・・。
この単純な仕組みに城に出入りする大店(おおだな)の商人が、裏で糸曳いて城中の高官(身分の高い家老や担当お役目係)と結託して巨額な違法利益を上げるから話が大きくなっていくのだ。この手はいくらでも映画やドラマを観たことがあろう?それの現代版がTOKYO2020って事なのだ。
これに違法な物資(麻薬やご禁制金)を法の眼をくぐって輸出入(=抜け荷)する一味を追放する役所広司主演の「どら平太」等はその典型だ。
一方で天下の徳川吉宗が旗本の三男坊(=徳田新之助)に化けて、悪徳商人と結託して悪さする老中や各藩の江戸家老を成敗する「暴れん坊将軍」のTVドラマシリーズ、一度や二度は観たことがあろう?いまやCSの「時代劇チャンネル」で朝から晩まで垂れ流すように放送されている。
しかし何年続いたか知らぬが、マツケンこと松平健が徳田新之助に化けた吉宗が最後の数分の殺陣(何故か背景に流れる主題歌と全く同じ尺で事が治まるのだ)で切って捨てる悪徳商人や幕府の高官、一体何人いるんだ?吉宗は自分の配下の悪徳高官次々に「成敗!」してしまって、さぞや江戸幕府人材不足になったろうと思うが・・。
でも今は令和の世の中、「暴れん坊将軍」は居ない。ともすれば、その暴れん坊将軍が悪い事をし続けているもんだから裏金・袖の下・賄賂などの「贈収賄事件」は無くならない!
今回のTOKYO2020のスポンサー獲得にまつわる事件は江戸時代から何の進歩もない次元の低い話なのだ。要は金の亡者、利権の亡者たちの悪事が徐々に明るみに出ているという事。
これ何関する新聞報道の記事を集めてみた。まとめて読んでみてこそ、それぞれの組織が何を考えどうしたいのかが垣間見える。
で、其れらを取り持つ広告代理店というビジネス・会社組織・社員の常識が如何に普通の製造業の会社などとは違う「ゆるくていい加減」であるかをまた次の機会にご紹介したい。