秋に渡って来たばかりのツグミは大きな樹に観察者が近づこうとするだけで飛び去ってしまったが、真冬になり食料が減り、草の実が食べ尽くされると樹木の実を啄ばむしかなくなる。勿論ミミズやその他の昆虫も食べるが、そうたやすくゲットできないのだろう。採餌中のツグミにはこの頃近づいてもそう簡単には逃げない。一度逃げてもすぐに戻ってくる。
エノキやムクノキの黒く見える実がツグミの好物らしい。似たような木の実を好むヒヨドリはイイギリや栴檀の実などを食べている様だ、観察している限りツグミが採餌する樹には寄ってこないようだ。それぞれに好みがあって取りつく樹木が違うのも面白い、これも自然界のバランスなのだろうか。
野川沿いの野川自然観察園には大きなエノキもムクノキも存在する。勿論、栴檀もあればマユミなどメジロが寄ってくる低灌木もある。イイギリだけは目の届く範囲にないが、観察園の檻を出た野川公園内には数本ある。観察園には在っても気が付かないだけかもしれない。明治神宮には山ほどあるのに。
数日前、このツグミの採餌を間近で観察できた。
何処にでもいるようだが、その採餌をゆっくり観られたのは初めてかも知れない。