2017年6月16日金曜日

何と!ヤマセミの巣立ちに遭遇していた! This was unbelievable,I encountered crested kingfisher's Fledging.

 東京から熊本県人吉市まで車で移動し、15日間に及ぶ野鳥観察を行った今回の撮影行は、予想もしなかった成果を生んでいたことが数日前判明した。
 神様の御利益か、東京へ戻って3週間、撮れた画像を精査したところ、何と!ヤマセミ巣立ちの瞬間を一部撮影出来ていたのだった。

 実は今回人吉へ入る前5月16日に思わぬ場所で偶然ヤマセミの繁殖に遭遇していた。其処は人吉市まで、まだ数十キロ以上ある地域で、人吉市内とは全然異なり、行政区で言うと球磨村に成るのか八代市に成るのか山奥深い環境である為、車から一歩も出られず、非常に難しい観察場所であった。
 しかし奇跡的に数カット幼鳥が巣立って穴から出てきたところを撮影していたことが、東京へ戻って3週間も経って判明した。東京へ戻って一旦画像整理した際は全て親鳥と思っていたのが、詳しく観たら一部巣立った雛の画像であることが判明したのだ。

球磨川の支流を相当上がった場所での営巣なので、未だに地図上で其処が何処であるか判っていない。筆者は何故か車のナビが大嫌いで、熊本県内でも基本的にナビは使わない癖がある。今回本来はヤマセミではなくリュウキュウサンショウクイとオオルリ、あるいはサンコウチョウを目的として入り込んだ球磨川の支流域だった。

 このブログでは今日と明日2日間で、その発見から巣立ちの瞬間までをレポートしてみたい。今回ばかりはもう本当にヤマセミ神社(矢黒神社)のご利益としか思えない奇跡だと思っている。

 同時に3年前のヤマセミの巣立ちをつぶさに観察した経験があったればこそ、今回の発見に繋がったものだと思っている。ほんの瞬時の細かいヤマセミの生態・行動を視て「今何が起きているのか?」を判断出来なければこの巣立ちは全然判らなかったろうと思う。野鳥観察の経験値はつくづく大切だと思った。
車の窓をすべて全開にして野鳥の声を聴きながら、リュウキュウサンショウクイ、オオルリ、サンコウチョウなどの声を期待して、轍の付いた急な登りの地道を進んだのだが、遠い電線にヤマセミが留まっているのを発見!何故かこのときアカショウビンの消え入るような鳴き声も聞こえたので非常に混乱したことも覚えている。
車を止めて観察をしたが、ヤマセミはこちらには目もくれず、場所を替えつつ左方向に注目しているのが見てとれた。
更に、別の樹木にもう一羽見下ろすような感じで動かないヤマセミを発見。これは営巣中の巣穴の傍でのヤマセミの親鳥の生態そのままである事を瞬時に悟り、近くに巣穴がある事を確信した。これは3年前、2年前、昨年とヤマセミの繁殖をつぶさに観察をして来た経験値で間違いは無いと思った。

 巣穴は道路から60m程のすぐ傍(高さ約10m)に在ったが、巣穴が見えてなおかつヤマセミを刺激しない草地の斜面に車を停めるのが精一杯だった。

観察を続けると、オスとメスが交互に巣穴に入るものの、給餌や糞の処理の様子は一切なかった。この段階でまだ餌を与える段階でなければ孵化前後であるか、逆に巣立ち直前であるか、そのどちらかであろうという判断が出来た。

巣穴の雛が孵化前後であるとすると、親鳥つがいは巣穴にあまり出入りしないし、巣穴が見える位置から二羽で常時監視を続けることは無いと思われる。
東京から車を運転してきてまだ人吉市に入っても居ないのに、驚き、嬉しさと同時に「これはえらい場面に遭遇してしまった」というのがこの時の正直な感想だった。如何に偶然発見したとはいえ、その出遭いには感謝しかなかった。
人吉附近のヤマセミとは全然違い、ほとんど人間に慣れていない個体なので警戒心も強いだろうと思い、筆者は車から一歩も出られない。ヤマセミの位置を確認するにも車のサイドミラーで確認するしかなかった。これは右のドアミラーから巣穴を監視する親鳥を見た画像。
こちらは、左のドアミラーから見た同じ親鳥。最初のこの日は4時間このままで観察したためトイレが一番困った!