2017年6月2日金曜日

団塊世代の、ちょっと車で九州へ!2,850km「#1出発準備から1日目レポート」

 2010年から毎年5月の連休明け、ヤマセミの繁殖シーズン・巣立ち~幼鳥教育の間は熊本県人吉市へ比較的長期滞在する事にしている。2014年には初めてヤマセミの営巣・繁殖を観察できた。
 その際は、天敵アオダイショウに襲われオス親を残して一家全滅の営巣現場、別のファミリーが無事3羽巣立つまでの2週間の記録(=2羽のヒナの天敵による巣立ち失敗を含む)など数多くの観察・撮影データ収録が出来た。

 しかし、2週間以上に及ぶ滞在に関してはどうしても経費が非常に掛り、そう簡単に実施出来難い状況ではある。何が一番コスト高なのかというと現地の空港で借りるレンタカーだ。14日間ともなるとホンダのFITやトヨタのVitzなど1000~1300ccクラスのファミリーカーでも最低クラスの保険付きで10万円を超える。
 地道の山岳ロードなど何処へでも行ける4WDのレガシィ・アウトバック(筆者の車同等)ともなれば、約倍の20万円以上は掛ってしまう上、それ(=RV・SUV系)を借りられるㇾンタカー会社は非常に少ない。
 過去の人吉長期滞在に関して言えば、2週間で間違いなく1,000km以上は走る上、地道の山岳ロードが半分である事を考えれば4WDが欲しい所だ。

 そこで今回は突然だが、筆者自分の車で東京の三鷹から人吉まで行ってしまおうと思い立った。理由は色々あるが、生きている内に東京から九州まで車で行っておきたいと思ったのと、人吉の山道でレンタカーに野薔薇の棘や枯草でスクラッチの傷を付けてしまうという、余計なストレス、プレッシャーを感じたくなかったからだった。

 勿論、高いレンタカー代だけでなく撮影機材や滞在装備・衣類の運送費などコスト面の安さ、更にはその手間を考えなくて済むという、ドア・ツー・ドアの便利さを試してみたかったのも在る。

 思い立ったら準備は早かった。

 小雨降る中、近所のスーパー・オートバックスに車を運び、長距離運転の為の注意を訊き、一番重要なタイヤの状況を確認。「10年前のタイヤだからビミョー?」の一言で、運良く店頭に飾られていた、まさにドンピシャサイズのタイヤを即購入→付け替えて貰った。オイルも替えて準備万端。

 サブドライバーが居ない一人旅なので、車中で片手で色々操作できる様、必需品の配置などを幾度も考え、運転走行コースを練った。

 小倉時代の小学校の同級生女性が、1,300kmくらいの東京ー北九州間であれば直行で行くわよっ!と誇らしげに言っていたのを想い出したが、動物学的に物事に集中し過ぎないで済む女性には出来ても、集中力の強い、特に動体視力に長けた男性には非常に難しい事をネットで知っていたので、初日は京都北部の宮津に住む大学時代の同級生同士・夫婦を訪ねて近所のペンションで一泊することにした。

 舞鶴・宮津は新東名~伊勢湾岸道路~京都縦貫道路経由でも行けるが、出発日は低気圧の影響で雨模様、なおかつ東海地方は強い雨と風だという。迷わず山岳コースの中央道と名神~北陸~舞鶴・若狭自動車道路経由で行く事にした。
 中央高速は長野オリンピック直前、スノーボード種目開催運営準備の仕事で、夏季・冬季通じて幾度も往復した道なので慣れているのと、南岸を低気圧が通過する際は、山岳部は意外と荒れない事を知っていたからだった。

 前日にフロントガラスに撥水効果のあるガラコを塗布して置いたのも即効果が出て大成功だった。いつもはゆうパック宅配便で先送りする撮影機材や滞在中の必要品を全て積んだ上に、「人吉市の山翡翠」など写真集を80冊積み込んだ為、人間2人が乗った重量には成ったろうと思う。小型飛行機と同じように運転席との重量バランスを考えて積み込んだ。

 初日の走行距離はグーグルマップで観る限り約560kmだから、100km/h平均で実質走行時間は5時間40分と予測。途中の休憩入れても昼前には着くと踏んだ。結局、朝5時30分に出て昼前には前日電話で連絡して置いた宮津の友人経営の喫茶店へ無事到着。しかし道中は殆ど小雨・霧雨だった。

 以下は、準備~初日の画像レポート。
出発2日前、オートバックスで車の運転に一番重要なタイヤとブレーキの点検。長距離高速運転ではタイヤのバーストとブレーキ故障が一番死に直決する。
なかなか即用意できないレガシィ・アウトバック用のサイズが格安で出ていた。幸先良い事。しかも相当安かった。4本で4万ちょっと。

出発の朝は、中央高速に調布インターから入って直ぐに雨模様。甲府あたりまでは結構降っていた。ガラコのおかげでワイパーを動かさずに済んだ。

 岡谷を過ぎ、伊那谷を抜け名古屋の北を通って名神に入る。しばらく東海道新幹線と並行する。此の直線コースで雨の中、前の大型トレーラー車のハネ石がフロントガラスに当たり、ドカン!と凄い衝撃音がした。後で車屋さんで訊いたら時々「銃で撃たれた!」と青い顔をして駆け込んでくる人が居るそうだ。
 ビックリはしたが、傷は1cm以下で合わせガラスの外側のみだし、フロントガラスの中央なので、運転しても車のたわみに寄るガラスの歪みで傷が広がる恐れは無いという。したがって、このままで運転を続けても問題ないというお墨付きを人吉に入って車ガラス専門店に貰った。正直其れまでは少し不安だったのは言うまでもない。このままで車検が通るか否かは難しいかもしれないが・・・。

 伊吹山に近い伊吹SAで妙な野鳥の声を聴いたので、コンデジを持って駐車場の縁へ駆けつけたらケリのファミリーだった。NHKの「ダーウィンが来た!」で最近観た気の強い野鳥という事で思わず見入ってしまった。
米原インターチェンジから北陸道に入り長浜を抜ける。

その後舞鶴・若狭自動車道に入りオバマ大統領時に有名に成った小浜(おばま)を通過。此処でいったん雨はやんだ。

三方五湖(みかたごこ)SAで最後の休憩、正面は三方湖。

綾部JCTで京都縦貫道へ。再び雨模様。

天橋立・宮津出口で高速を出る。雨は止まない。

一般道で、予め調べておいた宮津湾沿いに北上、友人の経営する喫茶店の看板を発見(今は休業中)

横浜国立大学教育学部美術専攻科のクラスメートと記念撮影。

伊根では海の上から舟屋を見学できる遊覧船に乗った。カモメに餌をやる観光客の横でパチリ!此処でもご多聞にもれずトビが急襲し観光客の叫ぶ声が湾内に響いた。

予定より早く着いたので、天橋立はともかく伊根の舟屋を観に車を走らせた。全国的に有名な舟屋を始めてみることが出来、宮津に一泊したのは正解だった。
彼は子供の絵画教室を経営していて、此処から芸大生や全国の美大へ生徒が進学したという、立派な教育者(経営者?)になっていた。もう一人の同級生(=彼のカミさん)には孫の世話とかで逢えなかったが、残念ながらもうこの先逢う事もないだろう。

 このクラスメートの喫茶店で売っていたおこわを、彼から晩御飯用に買って、コンビニで他の晩御飯用のおかずをプラスして購入した後になって一緒に夕食をなどと声を掛けられたが、丁重にお断りした。残念だが今更という感じだった。