春先の繁殖行動は寒暖の差が激しいせいだろうか、今シーズンは個体によってバラつきが観られるとの情報が複数入ってきている。情報で最初の交尾目撃は2月上旬、同じ場所で2日連続だった。
以前レポートしたと思うが、ヤマセミの交尾行動の場所は千差万別だ。しかし個体・つがいによって「お気に入りの場所」は確実に存在する。行き当たりばったりでは無いと確信する。球磨川流域の4家族・つがいはそれぞれ3回以上同じ場所での交尾を繰り返し画像に収録できている。架線上での交尾を繰り返すのが2家族2個体、崖を背負った樹木の同じ枝での交尾が1家族・つがい。球磨川本流の水位計の上での交尾を繰り返す個体・つがいが1家族。
それぞれ周囲360度を見渡せる場所であり、なおかつ危機回避のため、いざという時はすぐさま水中に逃げられるような場所であることが判明している。面白いのは撮影できている画像・動画ほとんどがこちら向きだということ。後ろからのデータはたった1回距離が一番遠いケースのみだ。
これは交尾行動に入る前にすでにこちらの存在を認識していると視ていいのか、たまたまラッキーが続いただけなのか?いろいろ総合すると前者だと思っている。
繁殖準備行動の一つの作業中、休憩タイムなのだろうか?川の中の岩に仲良く留まって休息をとっているように見えるヤマセミのつがい。地元での愛称は川辺川太郎と花子だ。この瞬間、実は交尾の予感がした。観察を続けてきての「勘」だろうと思う。カメラの準備をしていた。
一旦、オスの太郎が離れて6~7m離れた樹木の上に留まり、一気に水中にダイブして先程のメスの横に飛んできた。
目の前を通るオスを見ているのかと思いきや、メスの花子はボーっとしているようだ。
その次の瞬間!太郎が後ろから回り込むように飛んで・・・・。
花子の背中にソフトランディングで重なった。
車の中から観察しているのだが、完全に正面を向いていてくれている。
ほんの15秒程度の交尾だが、カットの一つに2羽の瞬膜が同時に閉じたのが在ったので、この瞬間交尾が完成したと判断している。今後1か月の間は1日に何度も交尾すると思われる。勿論求愛給餌は今回伴っていない。これは普通の事だ。