それがきっかけで一見不恰好なヤマセミに興味を持ち、特に千歳川のような真下への短いダイブではなく、南九州の球磨川、川辺川流域のような高い所からのダイブ、ホバリングつまり空中静止状態からのダイブで採餌する豪快な生態に魅了されたのだ。
幾度か連続写真で色々な採餌ダイブをご紹介してきたが、今回ご紹介の内容は大学の理工学総合研究所に提出予定のヤマセミの生態に関する論文レポートに掲載する内容のほんの一部。
一度に2匹の魚を咥えて戻ってきた画像は過去3度ほど撮れている。一度は2014年に自費出版した「川辺川・球磨川流域の山翡翠」に掲載したもので、ヤマセミが採餌した獲物を咥えて飛翔中に、トビに追われ獲物を横取りされた事があった。しかし、その20分後にショックから立ち直りダイブして、一度に2匹を採餌!トビに取られた分の帳尻を合わせたと言う劇的なものだった。
一般的に文献を見ると、ヤマセミは地面や岩の上に落とした獲物には二度と口を付けないと言うのが定説。今までも獲物を取り落として水中に落ちた場合はすぐさま拾って食べているが、岩や樹木の枝等に落とした獲物には目もくれないし、二度と口を付けることは無い。撮影した画像でそれは幾度も証明されている。
今日の画像はいずれも11月、12月という晩秋から初冬の時期の採餌。川の水温も低く魚の活性も悪い状態だからこその成果だと視ている。これが盛夏時期だと魚もすばしっこく一度に2匹は難しいのではないかと思う。
撮影した時にはもちろん判らない2匹ゲットのヤマセミ雌。場所は川辺川。
なんだか出っ歯のように見えるが、小振りな獲物を2匹咥えている。
ちゃんとこちらの存在を認識していて、良く見えるように良いポーズをとってくれた。
こちらは球磨川本流での撮影。
本当は水面に写る鏡の影と太陽の光の影の二つが良く映っているのだが、主眼は咥えた2匹。
この2箇所でのダブル・ゲットのその後の獲物の処理はそれぞれどうなされたのか?それこそ今までのヤマセミの生態に関する学説・通説をひっくり返す意外な発見に繋がっていくのだ。これは学術的な部分での発見だと思うのでブログ上ではまだ公開しない。詳しくは論文レポート上で証拠画像付きで掲載する。さて、それぞれこの2羽は一体どうしただろう?