かって筆者のパソコンの師だった人物が狂ったように生成AI、特にChatGPT(=チャットGPT)が凄い凄いとのめり込み、先取りしたつもりでChatGPTの仕組みや使用成果を連絡してきた時期があった。それほど遠くないほんの半年前、今年の初めころの話だ。
しかし、あっという間に生成系AI運用に関する弊害、例えば歴史認識において間違いが多すぎる、事実ではないことをまことしやかに事実のように述べるなど、実社会に大きなトラブルを巻き起こすことが増え、人類は一歩下がってこの生成系AIを見直すようになっているのが現状だ。
先走ってマウントを取ろうとChatGPTを使用し始めた自治体役所なども、今ここへきて地元住民からのクレームと反発を受け頓挫している所が多いと聞く。
大阪府の大ちゃん（生成AI公式コメント情報）が大阪万博は中止か問うと「残念ながら中止！」と答えるという。
知事は「必ずしもすべてが正しいとは限らないが、だからと言ってやめてしまうのも・・。」とか馬鹿な事を言っている。公の役所はちょっとでも不正確な情報や間違いだったら絶対に出してはいけないだろう？それが元で何かトラブった場合、責任を吉村君は取らないつもりなのか？呆れてものが言えない。
だから大阪という所は秩序も規律も無いんだと言われるんだろう？とんでもない話だ。
かってのパソコン師匠と周りの普通レベルの友人＝一般的知識保有者のデジタル知識の乖離（これもデジタル・デバイドの一種？）によって引き起こされる人間的乖離が、あちこちでも始まっているようだ。マイナンバーカードの普及に関してもレベルや次元は異なるものの、似たようなものだろう。
AIの普及、デジタル化の普及は一般の人間が求めていないのにどんどん先走って「新しいことをしているんだぞ」的な暴走をし始めているような気がしてならない。
かって、スコットランドのロスリン研究所で生まれさせられた羊のドリーが早すぎたのではないかというのと、どこか似ている。
※早死にしたドリーと同じ羊がその後2007年に4頭生まれ2016年に9歳で生きているという記事が載っていたのでご紹介。
https://wired.jp/2016/07/28/sheep-clones-dolly-healthy/
これらは人間の生活、生き様にそう大きな影響を与える事ではない。遺伝子組み換え農作物にしても、それを飼料とした家畜も、それを食べたら双頭の人間が生まれたり4本足の赤ん坊が生まれたりはしていない。・・今のところは。
しかし、生成系AIの生み出すものは、TVを通じて目と耳から情報を得る人間のどこか根本部分で脳の退化を生み出すような気がしてならない。
NHKがニュースの一部を生成系AIで作った音声で報じ始めて半年が経つ。そこに今度はペットボトルのお茶を宣伝するコマーシャルのお姉さんが生成系AIのモデルだという。
これなど極めて精巧なCGによるアニメーションだと思えばいいのかもしれないが、何処か腑に落ちないモノがある。
もう相当劣化してしまったかってのタレントが、TVの4Ｋ化、８Ｋ化でアップに堪えられなくなっているにもかかわらず、強い光を当てハレーションを起こさせる画面仕立てに加え、極端な厚塗りとＳＦ映画まがいのメイクで出続けるのも、視聴者側からは痛々しく見抜けてしまっている。
人間の眼の認識区別能力は思った以上に相当高度だという、耳からの音（声）の認識区別能力も相当高度だという。「今日のあなた、どこかおかしい、大丈夫？」といったようにほんの少しの表情の変化や、声の調子で異変を察知できる動物的第六感がどんなにボーッと生きている人にもまだ少し残っているのだ。
この人間相手に、生成系AIでござる、どーだ？とAIモデルを使用していることを自慢・吹聴されても、「だから何なの？モデルさんたちの職を奪って、アナウンサーの職を奪って何が進歩なの？」という人が今後増えていくだろう。そういう民衆の反感を買ったらコマーシャルとしては失敗ではないだろうか？
この間の東京オリンピックにしろ、ジャニーズ事件事件にしろ、スポンサーの立場は国民から厳しい目で見られているのに各企業は気が付いているだろうか・
生成系AIの技術を進めるオタクグループは、どんどん技術を進めてもらってもいいが、人間の実社会の秩序と平和を、自分たちの知識常識・価値観と倫理観で勝手に壊さないでほしい。
スマホの普及で間違いなく人類は便利と引き換えに知脳が少し後退したと言われている。一部の科学者によると幼児～学生レベルでは実際相当後退してやばいとも言われている。
便利な車の普及で人間の足腰が弱まり、フィジカル面で筋力と免疫力が落ち、排ガスその他で地球環境を悪化させ、目と耳と指先を奪うスマホの普及で群衆行動の秩序が乱れ、事故が多発しフェイク情報が飛び交う世になった。
これに加え生成系AIによる「人造物」の多様化がナチュラルな人間に対してどのような弊害を今後もたらすか、筆者は憂えるのだ。
