一時、厚労省だか何処だかの健康関連機関が「1日1万歩歩きましょう!」などと健康増進のための提言をしたことがあった。
それからしばらくして「そんな1日1万歩など無理!体を壊す!」との記事がメディアに踊ったことがあった。
かって、東京都健康長寿医療センター研究所 運動科学研究室長が「群馬県中之条町に住む65 歳以上の全住民5000人にモニターとなっていただき、1日24時間365日の生活行動データを15年にわたって収集・分析し、身体活動と病気予防の関係について調査してきました・・。」と雑誌・東洋経済誌上で発表したことがあったが、中之条町の65歳以上の住民のそれまでのスポーツ歴・労働歴などはどのようにバランスとったのだろう?
5000人のうち、激しいスポーツを続けてきた方がどれだけいただろう?ほとんど激しいスポーツなど全くしてこなかった方の割合はどのくらいだろう?みな同じ生活をしてきた訳ではあるまい?
筆者は「1万歩歩こう!」と言う提言も「いやそんなに歩いたら体に毒だ!」という提言どっちもどっちだと思う。
要は1日1万歩など実際歩いたこともなければ、歩くとどうなるかなど自分自身で実践したこともない輩が「提言」や「諫め」をしているのが見て取れるからだ。
こういう記事をよく考えずに掲載するメディアもメディアだ。もちろん一般のメディア担当者も1日1万歩など歩いている訳がない。ただ一誌、マガジンハウスの「雑誌ターザン」の編集者を除いて。
逆に「雑誌ターザン」の編集スタッフはトレイルランニングやデイリーランニングの経験者ばかりだから、自分でやってみて「体に良いか悪いか」をよく知っている。我が50年来の友の一人がここのエディターなので良く判る。
この友は「自分で実際やってみなければ記事にしない」という超まじめなジャーナリストだ。この号でも執筆投稿している。
ランニングシューズと普通のスニーカーの根本的違いも彼に教わった。スキー靴、スノボシューズ、アイスホッケーのスケート靴は裸足で履いたほうが、雪や氷の感触を直接足裏や指のセンサーがキャッチしやすい・・・と教わり、実際まったくそうだったので現役時代はそれぞれ裸足で履いていた。
こういったフィジカル面の実践知識人の言うことと、医学に関しての専門医のコメントを日常つぶさに拾って自分の知識にして団塊世代の筆者は健康な生活を心がけている。
大阪市立大学医学部の井上正康名誉教授の説く新型コロナウイルス関連の知識、ワクチンの知識などはずいぶん「目からウロコ」状態にしてくれた。
その彼が説く話の中で一番うなづけたのが次の一説だ。「人間は一人ひとり全く違う環境下で違う育ち方をしています。なおかつ親から得たDNAは全ての人において違います。だから各人のフィジカルデータ、特にその人の持つ基本値は全て違います。よくある年齢別の平均値が当てはまる人は実はあまりいないと言って良いでしょう。」
普段血圧が120~75という平均値の人でも、診察室へ行って白衣の女医さんや看護師さんに手を取られて測ると上が135に成ったり、あがり症の人は140に成ったりする、これを「白衣高血圧症」などと言いますが・・・」などと冗談風にわかりやすく説明してくれる。
要は、フィジカル個性(各数値)が千差万別、状況によって「身体反応」も個人差が激しいのに、一律で標準値を決め投薬や治療をしてしまう現代医学は逆に非常に危険だと警告を発している。 以下は時間のある時にご参考までに・・。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm41238075
新型コロナ感染症に関しては・・・
https://www.nicovideo.jp/watch/so41250166
これを元に考えれば、ウォーキングだってランニングだってその人に合ったレベルで行うべきなのに、やれ1万歩は歩き過ぎで危険だ、逆に病の元になる可能性が大きいと平気で述べる「提言者」たちのなんといい加減な事か?
数年前終わったラグビー・ワールドカップの選手たちと、碌なスポーツもせず普段渋谷のスクランブル交差点や町中をスマホ歩きで歩く程度の若者が、それぞれ高齢者になった時に同じ運動量や同じ食生活や同じ睡眠方法でいい訳が無かろうと筆者は思う。
要は団塊世代の高齢者だって、60歳還暦を迎えるまでスポーツに明け暮れてきた者と、まったく運動は嫌いでやってこなかった者が同じウォーキングをするにしても8,000歩だの10,000歩だの決めつけないでほしいのだ。またそれを鵜呑みになどしてはいけなと思うのだ。もちろん長年スポーツをしてきた者は判っていよう。
ただし、自分の体以外での条件は気を付けなければいけない。