季節性の強い野鳥の中で秋の訪れを告げる冬鳥ジョウビタキは人気の野鳥の一つだ。典型的な渡り鳥ではあるが、筆者は長野県霧ヶ峰の八島湿原公共駐車場で7月に餌を咥えて巣に運ぶ姿を幾度も撮影したので、多分どこかで営巣・繁殖していると思う。
しかし、関東平野の東京郊外では完全に冬の渡り鳥だ。今年は10月の最終週あたりから毎朝の愛犬散歩でその声を聴いていた。最初にその姿を目視したのはメスだったが、ここ数日は決まった所でオスの鳴き声を聞きコンデジで撮影している。
毎朝の観察なので、同じ個体と思われるが、いつもお気に入りの同じお宅のTVアンテナのこれまた同じ位置で鳴くのが面白い。
ほかにも犬の散歩の方は沢山いるが、こういった野鳥の習性・生態になど全く気にしないようだ。たまに顔なじみに教えてあげると「今まで観たことない、外国の鳥?」などと面白い答えが返ってくる。しかも、カタッカタッ・・、ヒッヒッヒッ♪・・と鳴いている声を聴いて「二羽居るね?もう一羽は見えないけど・・。」
確かにこれほど極端に異なった二種類の鳴き声を出す野鳥はそう多くないと思う。ヒンヒンヒン・・カチッカチッ♪とも聴こえる所から熊本県地方では「ヒンカチ」という名前で呼んでいる。熊本県での動植物に付けられた方言名は、標準的な呼び名よりはるかに優れていると思う。
多分熊本県人は一般的な日本人より観察力が視力・聴力双方で優れているのだと思う。セキレイ系をイシタタキ(=石叩き)というのも素晴らしいと思った。
まずは昨日と今日の近所のジョウビタキの画像(コンデジ撮影)から・・・。
あるお宅のTVアンテナに留まって鳴くジョウビタキのオス。
今日また全く同じお宅の同じアンテナの昨日と同じ位置に留まっている。
こうして毎朝縄張りを保つルーティン行動なのだろう。偶然とは思えない。
熊本県人吉市農道で小雨の日に車の中から撮影。
銀色の頭がとても特徴的だ。
鹿児島県の錦江湾近くの干拓堤防傍の湿地帯で。
日本の野鳥としては非常に艶やかな後ろ姿。元禄時代の武者人形の様に感じた。