2016年8月29日月曜日

「団塊世代のウインドサーフィン狂い外伝・番外編」  なぜ男は60歳を超えると人の話を聞かなくなるのか?

 十年以上前に英国の作家夫婦が出したベストセラー本に「話を聞かない男、地図を読めない女」というのがあった。
読んでみると大体次のような興味深い内容が含まれていた。

1998年、イギリスで上下が逆の地図を作ったところ、15000人以上の女性とひとにぎりの男性から反応があった。女性は地図と実際の方向をいっしょにしたがるから、この上下逆の地図に価値を見いだした。これにより空間能力が必要な職業では男性が多く、英国航空ではパイロットの98%が、建築家協会の建築家の98%が、ビリヤード選手の87%が男性などの具体的事実も判明した。
●女性は網膜が男性より優れており、色などもより繊細に識別できる。網膜にある錘状体という細胞はX染色体をもとにしているが、女性はX染色体を2本持っているのでそうなっている。
●女性は1日平均60008000語の単語を話すが、男性は20004000語にすぎない。
●さらに、アイオワ州立大学の調査では4歳にしてこの男女差は顕著ということがわかった。100万人以上の脳をスキャンした結果。
そうしてこれらは「男女同権、男女均等雇用法、男女差別をなくそう」といった権利の平等を進める事とは別に、明らかに男女間には異なる特質がある事実を証明した点で、全世界で大いに共感を得たものだった。


 この「話を聞かない男、地図を読めない女」に出ている男に関する話で非常に面白いものがあった。人の話を聞こうとしない男は、歳を重ねるとよけい人の話を聞かずに己の自己主張を始めるという。
 これの一番良い見本が、NHKの「日曜討論」だろうか?各政党の論客がワイワイガヤガヤ喧々囂々意見をぶつけ合っているが、やはり自分の意見を通そうと、発言中の者が居ようが居まいが、相手にかぶせて自分の意見を述べ始める。特に共産党の論客にこの手が多いと聞くが、男性に限らず何処かの大学の韓国人の女性政治学者なども似たようなもので皆から嫌われている。NHKの司会者に何度も注意を受けても直そうとしない札付きだ。視ていると結局嫌われて番組自体への出演機会が減るし、司会から発言を許されることも少なめになっている。

 しかし、嫌われようが何しようが自分の意見を述べ相手を論破したい、説き伏せたいと思うのだろう。しかしそうすることにより、相手により嫌がられ、飽きられ、見限られることが判らないのか、この手の性格はなかなか変わらないようだ。ネット上でも総攻撃を受けているのが見て取れる。

 テレビやマスコミで己の姿や発言内容を拡散してナンボという政治家だけではなく、日ごろ普通に生活している歳を重ねた男にもまったく同じ傾向が現れるのだという。
昔は町に一人や二人名物の「頑固爺=ガンコじじい」という町のご隠居さんが居たものだ。普通の人が面倒くさがって注意しない細かい社会のルール違反、道徳違反、共同生活のおきて破りを諫め戒める。こういう頑固一徹の人格者が居なくなって久しい。しかし、「話を聞かない男」というのはこの事ではない。

 日ごろ、仕事の上で人に頭を下げることに慣れている職種、経験者でも、この傾向は出てしまうという。まず相手の言わんとする話を聞こうとせず、発言を遮り、己の言いたいことを言いはじめ、挙句の果てに講釈を垂れ始める。其の講釈で相手を説得しないと気が済まないのだろう。往々にして一連の自分の言いたい喋りを終えないと相手の話を聞こうとしなくなるという事だ。

普段そうでないある種の特権者や、先生と呼ばれる一定のジャンルに詳しいタイプの人間は余計顕著に上から目線でのモノ言いも加わって、この傾向が出るという。
これでは相手も嫌気がさし、近づこうとせず、敬遠するようになるだろう。挙句の果てに離れていくに違いない。何故かこうなってしまう人間は残念ながら己の拙さに自分自身気が付かない。だから己を恥じて反省し謝ることはまずない。

自戒の念を含めて、この本をもう一度読み返すことにした。