2013年5月28日火曜日

■ 団塊世代の写真撮影ブーム

■写真撮影について


  昨今、60歳、昔でいうところの還暦を過ぎた団塊の世代を中心に、写真撮影のブームが続いているようだ。墓石の争奪戦までしなければならないかも知れないと言われ続けて育った団塊世代、リタイヤ後の生活費や死に金の準備、今ならさしづめ終活というのか?費用面では少し余裕のある層が今までよりは増えたと見える。

 それが証拠に日経やその他全国紙の日曜版全面広告を見るが良い。やれ豪華客船クルーズだのJR九州特別列車で九州1周200万円だのお金に糸目を付けない「おさそい広告」で一杯だ。競争で育ったこの世代は豪華客船のクルージングでもテラス付のセミスウィートくらいではないと同行者が納得しないから、高い船室から埋まるという。これに目を付けた海外のクルージング会社が日本の裕福な団塊世代を狙って格安クルージングの企画ツアーを続々持ち込んできた。

 おかげで我が日本郵船・飛鳥の豪華客船のツアーは真っ青!近海の切り売りツアーへの戦略転向を余儀なくされているようだ。しかし海外からのクルージング会社も大量動員一挙売上向上を狙った超大型客船を日本用に転用したものの、横浜ベイブリッジは橋が低くて潜れないは、東京港レインボーブリッジも潜れないなど土壇場でみじめな結果を招き始めている。せっかくあの横浜港大桟橋からの出航を夢見ていたのに、暴走族の集会所・大黒ふ頭までバスで移動させられ工業地帯・倉庫地帯から乗船・出航だ、これじゃ大昔の石原裕次郎の映画そのままではないか?

 話が飛んだ・・・元に戻そう。

 やっと人生に余裕が生まれた団塊世代だが、多少の余裕ができたのはあくまで金銭面だけで、自分の頭の中や今後自分がどうするんだという、設計・プランはまるで空っぽという御仁がなんと多いことか?リタイヤ後の不安に対しては、金の心配しかしてこなかった、今まで金を出してモノを買ったり、行楽に使うなど消費能力しか磨いてこなかったから「モノを作り出す、生み出す」スキルにかけているのが実際のところなのだろう。

 そういう中で、写真撮影をして画像を残す・・・少なからずクリエイティブな方向に進みつつある団塊の世代の一部は、まだましなほうなのだろう。しかし、ここにも特有の「勝った負けた、優越感という悪魔の囁き」が歴然と存在するのだ。

 以前写真撮影のレクチャーにインストラクターとして助っ人参加してサポートした際の状況をほんの少し紹介。

 まず、持っているカメラの自慢、三脚の自慢、行った撮影場所の自慢、撮影技術・専門用語などカメラ知識の自慢。もう「俺が俺が、勝った負けた」の大論争が必ずレクチャーの最中、撮影指導の最中にあちこちから聞こえてくる。その次が撮影場所の取り合い喧嘩・口論。


 一体何なんだ?これは?と思いつつ、一番元気のいいオジサン(筆者とあまり変わらないと思う)に質問してみた。「画像処理ソフトは何をお使い?、何を主に撮影されているので?」
 これに対する返事は、「あー撮った画像はカメラのキタムラでプリントしてもらうんですよ!パソコンは判んないんで。何を撮るかって?それが問題なんですよねー、先生の後をくっついて勉強はしているんですが・・・。」
という事だった。自慢する事は沢山あるのだが、何を撮りたい、何を撮るからこの機材・・」という理念もプロセスもない、カメラ自慢の会に近いのが実情だった。



中学校の時の様に親に買ってもらったカメラは自慢しあうのに、撮れた画像を自慢しあわない、しあえない群衆がそのまま大人になり老齢期を迎え同じことを繰り返している。なんだかなー?


この項続く。