2023年12月2日土曜日

団塊世代は「ウォーキング」に関する無知なメディア解説を憂える。 Baby boomers are concerned about ignorant media commentary about ``walking.''

  随分前のこのブログで、「運動脳」の本をご紹介した。

 人間とにかく二足歩行の動物なんだから、動いているのが当たり前なのに現代人は車に座って運転して移動したり、エスカレーターやエレベーターで上下空間移動をするのが当たり前になり運動機能が以前よりずいぶん退化していると。

 その「動く」の代表行動が「歩く」という事なのだが、生物学的に歩かなければ体のフィジカル機能が退化する・・という話と、「健康のためにランニングやウォーキングしましょう!」と言う半ば宗教的な提唱がかけ離れてしまっているような気がしてならない。

 雑誌「ターザン」ではないが、ランニング(トレイルランも含んで)、ジョギング、ウォーキングは決してスポーツ志向の強い人だけが行うカッコ良い事ではないのだ。

 人間が歩かなくなるという事はもっと怖い話だと思う。寿命に直影響が出る話なのだ。日本人は世界一寝たきり老人が多いという。寿命は男女ともに世界最高水準だが、健康寿命(起きて歩いて、普通の生活を出来ている状態での寿命)となると一体どのくらいの位置にいるのかわからない。結構低いのではないだろうか?

 調べてみたら、意外にも長寿国である日本の健康寿命との差の世界ランキングではなんとか40位くらいだった。しかし、世界トップレベルの長寿国の中ではやはりもっと上の方であるのが望ましいという実態だとおもう。

 足腰が弱って、外出もできず、そのうち車椅子に乗って沢山の管に繋がれて生き続けて100歳を迎えても、決して長生き出来ている・・とは言い難いのではないだろうか?

 やはり、歩いて足腰を鍛えつつ、2か月くらいで筋肉細胞を再生しつつ新陳代謝を活性化させなければ健康で長生きはできないのだ。

 CS放送TVのコマーシャルや最近では地上波TV、新聞でも盛んに高齢者向けのサプリの宣伝が行われ、広告代理店は儲けているようだが、専門医師に訊くとそのほとんどが「気分的なモノ」だと断言している。薬だと薬事法でいい加減なことを言えないが、サプリだと「健康食品」という事で何を言っても良い・・から、いかにも隣の婆さんが効果をまことしやかにしゃべる宣伝文句を、ついつい本気にして買って飲んでしまうという。

 前置きが長い上話が横道にそれたが、体を動かすこと⇒動くこと=「歩くこと」に今日はテーマを絞ってみたい。

 筆者は若い頃から人よりは多く走ったり歩いていたものの、2021年11月1日からスマホの歩数計で記録を付けはじめた。

 で、2023年、つまり今年の10月末までで365日×2年間×10,000歩/1日=730万歩をクリヤーし、7,501,148歩で推移した。予定を20万歩ほど上回ったわけだ。

 しかし、これは歩ける月に余分に歩いた貯金が在ったためで、実際今年の7月に風邪をこじらせ体調が崩れた後正常に戻るには5か月も掛かってしまった。やっと11月に1か月35万歩で1日平均1万歩オーバーのレギュラーに戻せた。

 7月初旬の歩数ゼロと言う日々は寝込んでいた日の事だ。それ以外でも7月8月・10月は体がしんどくてほとんど歩いていない日がある。11月に入って調子が戻った月でも蓄積疲労を避けて意識的に休む日を設けた。毎日1万歩が必須・・では長続きしない。

 これは決して自慢している訳でも、凄いね!と言って貰いたい訳でもない。

 あまり世の中では知られていないが、江戸時代の人は1日平均3万歩以上歩いていたという事実データがあるから、まだまだ1日1万歩など「歩かない人」の部類だと認識しているからだ。

 あの弥次喜多東海道中膝栗毛をご存じだろう?歌川広重(=本名・安藤広重)の浮世絵でも有名な東海道だ。お江戸日本橋から京三条大橋まで492㎞を通常で江戸時代の人は14~5日で歩いたという。1日35㎞程度だ。旅が目的でただひたすら次の宿場まで歩くのだから日々の暮らしの中での歩数よりははるかに多くて当然。
東海道五十三次各宿場間の距離表

 江戸時代の男子の平均身長が160㎝弱だから旅となれば一日5万歩くらい歩いていた事となる訳だ。したがって身長170㎝弱で1日1万歩程度歩いたって全然威張ってられないのだ。

 もう何を言いたいかお分かりだろう?

 知った顔の有識者や大学の先生が、「1日8千歩~1万歩」歩くと健康に良いです・・などと個人差を考慮もせず言い放っているのを見ると呆れてしまう。ましてや、その先生方でそれを実践している方が果たして何人いるだろう?

 またこれを鵜呑みにして、ただひたすら顔を鬼のようにしてウォーキングする人々とすれ違う都度「宗教じゃないんだから!なんだかなぁ・・?」と思う筆者なのだ。むろん歩かないよりは当然良いのだが。

 筆者の場合はただ歩くだけではなく、コンデジで面白い事象を撮影して回る、それをブログに載せる、つまり鬼の形相で歩くのではなく、徘徊で良いのだ。それが目的であれば歩くこと、歩数は結果として付いてくる。「健康のために・・。」と義務のようにして歩くと長続きはしまい?

 ここに歩くことと、足の問題に関した面白い記事があった、ご参考。

 筆者も当然歩くための靴には気を使っている。だから都心を徘徊するのも軽登山靴で歩いている。長距離を歩くにはどこを歩くにも、昔ならキャラバンシューズが良いというのは実体験で知った。スニーカーではダメなのだ。歩きやすい靴は3足安い際にまとめ買いして今後に備えてある。

 同時に自分の体調をその日の朝自己診断することが大事。

 筆者は朝6時から毎朝行う愛犬散歩2,500歩の間の体調チェック。其れと、都心に出る際はバスで三鷹駅に着いて駅舎に上がる階段(エスカレーターは使用しない)を、カメラなど8~10㎏程度のデイパックを背負って無理なく二段上りが出来るか否かで体調を知るようにしている。年に数回しんどい日がある。
三鷹駅南口のいつもの階段

 これは決して「年寄りの冷や水」ではなく、「凄いね!」と言って貰いたい訳でもなく、あくまで己のその日の体調を判断するために行う事。人によってそれぞれ自分の体調チェックのルールを設けて実践するのは非常に大事だと思うが如何?