2020年7月18日土曜日

此処で球磨川流域に関してもう一度考えてみた。 I thought again about the Kuma River basin here.

 筆者は1960年~62年の実質2年間弱、熊本県の八代市で小学校6年~中学校1年生を過ごした。昭和で言えば35年~37年の春までだ。
下は1960年に北九州の小倉市から転任してきた我が父が十条製紙(現日本製紙)の蒸留塔から撮影した球磨川河口部方向の八代市内、遠くに見える唯一のビルは当時の大洋デパート八代店。上は2002年筆者が十条製紙に頼んで登れる最高部分から撮影した同じ方向の八代市内。約40年経過して街は大きく変わったが、人口数は変わらない稀有な地方都市だ。

その後単独で上京し、親類の家に下宿してそれ以降はずーっと東京で生活してきた。それが何のご縁かヤマセミという野鳥に魅せられ、八代駅前ミック珈琲店の出水晃マスターの一言、「シンジョー君、ヤマセミは球磨川流域の何処でん居るバイ!」で球磨川沿いに人吉まで遡り、そこにヤマセミの天国を発見したのだ、これが2010年4月1日の事。

 それ以降10年間、500泊以上人吉市内に宿泊し、15万カット以上のヤマセミ画像を収録してきた。その人吉市並びに球磨川流域の風景や自然を画像・動画に収録してきたが、今回の大洪水災害を考えた時、相当貴重な災害前の姿が残ったのだと気が付いた。

 特に、最後の人吉訪問となった今年2020年の3月8日からの撮影では、今回水没してしまい壊滅的な打撃を受けたエリアが収録されていた。このブログでは少しづつそういった画像をご紹介していこうと思う。

 その前に、一言!

 人吉の惨状を報道するNHKニュースなどでも盛んに言っていたが、人吉市の災害後片付け、復興にマンパワーが大変不足しているという。
筆者がマンパワーとしてのボランティアを気にするのはこの実態報道があるからだ。

 メディアは簡単に民間業者委託を言うが、原資を考えた時そんなに簡単には行かないことも判らないのか?これだけの災害、重機や車両、マンパワーを考えたら自衛隊のサポートが無ければ原状復帰は難しいと思う。自衛隊とは非常に仲の良い熊本県だもの知事の要請一声で動くと思うが如何?一市町村の首長の依頼だけではなく、人吉球磨全域にわたる問題だけに自治体のセクショナリズムでバラバラに動いては時間がかかるだろう。


ボランティア不足は新型コロナウイルス禍における「三密」「感染」を恐れて参加者が少ないという見方もあるが、熊本県における県北と県南の「意識の地域差」が気になる‥とこのブログで投稿した。

 そうしたら県南に住む友人たち数名から連絡があり「そぎゃんたい!」と言われた。これは熊本日日新聞(地元の地方紙)の購読数分布を見れば一目瞭然。熊本市を中心に圧倒的に県北・県央の購読数が多いのだ。長い歴史の中で、県南に対する差別意識があるとは思わないが、人吉市の前市長田中信孝氏が何かのシンポジウムで言っていた「人吉市は肥後藩ではなく相良藩ですから・・。」という言葉が今でも頭に残っている。時代錯誤も甚だしいが、そういう考え方が意識の差、協調の不足を生んでいるとしたら罪は大きい。

 こういった他地区との差別意識が、県内からのボランティアしか受け付けないという現状の中、県北からのボランティア参加の鈍さに繋がっているのではないだろうか?そうでなければ良いが・・と思う今日この頃だ。

 しかし、もしそういう気風があるのであれば、此処で蒲島知事が先頭になって作業服で泥を掻き出して泥まみれになれば良い、ほんの20分間だけで良い。メディア効果を狙えば後に続くものが出るだろう。何もくまモンのPRだの、安部首相・災害地視察のお付きで人吉に付いてくるときだけメディアに出るのではなく、今こそその存在をアピールされたら如何?

 熊本県の首長が自ら行動で示さねば熊本全県の人たちは動くまい。

 これから少しの間、2002年から撮影した八代市~人吉市間の球磨川流域などの画像を掲載しながら、思いをはせてみたい。

八竜山天文台への道から見た球磨川が峡谷部から八代平野に流れ出す部分の展望。

拡大図、中央の煙突と白い建造物が現・日本製紙(=旧十条製紙)今日最初の写真はこの白い建物の上から撮影させてもらった。右端の白い線は九州新幹線・新八代駅舎(開業前)



球磨川第一橋梁、明治41年アメリカ製・・・これが流失した。2002年4月撮影

Google Map2013年3月の画像ストリート・ビューより。2010年から荒瀬ダム水門全開放で10年前より水位が下がっている。


2017年3月2日雨の中人吉から熊本まで乗った朝一番の快速先頭から撮影。

新潮ジャーナルの記事から。

同じ様な渡の相良橋(道路橋)も赤いトラス式鉄橋だがこれも流れたという。今回、赤い鉄骨製トラス鉄橋は3つも流れてしまった。
                          この項続く