2020年2月5日水曜日

毒魚ギギと得体のしれない魚を同時にゲットしたヤマセミはどうしたか? What did he do when the crested kingfisher caught bagridae with an unknown fish together?

 2010年にヤマセミの観察を始めて、実際自分で目の当たりにするまでは、ヤマセミが背ヒレの針に毒を持つギギ(=Bagridae科)を捕えて食するとは夢にも思わなかった。

 アユ猟師ですら、刺し網に掛かったこのギギを網から外すのに、ペンチやトングのような石炭ばさみを持っているという程の毒針で有名な魚なのだ。いわばゴンズイの真水版?

 実は食べると白身で美味しい高級魚だという事だが、ヤマセミはそれを知っているのだろうか?人吉市内の球磨川では非常に頻繁にヤマセミがこのギギを捕えて食する様子が観察されている。

 同時に同属のナマズも球磨川のヤマセミは好んで食す様だ。

 しかし今回は、採餌から岩までの移動シーンが撮れていない。画像はヤマセミが岩の上に黒い大きな魚(ナマズか?)を置き、ギギを咥えたシーンから始まっている。

 先月1月にはいくつかのヤマセミの二匹同時ゲットシーンをアップしたが、今回はこの毒魚+不明魚の同時ゲットの生態をご紹介。

 結論から言うと、ギギを見事に飲み込み、二匹目の黒い不明種の魚を叩き殺そうと岩に叩きつける瞬間滑ってすっ飛ばしてしまい、水中に取り落としてしまう。やはりヌメリで滑ってしまったところを見るとナマズ系であったようだ。

 今回は、球磨川の対岸で遠くだったので画像が不鮮明であることをお断りしておきたい。
くちばしに1匹目、岩の上に黒っぽい大きな二匹目を置いたヤマセミ。

毒針は持つが美味しいギギを捕えて見せびらかすようにご満悦のヤマセミ。

で、その毒魚、ギギを叩きつける。

普通の獲物より慎重に幾度も叩きつけ・・・。

飲み込み体勢に入った。

やっとのことでギギを飲み込んだ。

いよいよ二匹目の飲み込みに掛かった。

いつものように獲物を振り上げて叩きつけようとしたが・・。

あれっ?という感じでくちばしから二匹目は飛んで行ってしまった。

水中に落ち行く獲物を目で追ってボー然とするヤマセミ。

こうして、意図的に二匹目を放棄して飛び立つケースと、きちんと二匹とも食すケースと幾通りかの二匹ゲット時のヤマセミの生態を知る事が出来た。結論から言うと、岩の上に落ちた、あるいは置いた獲物はきちんと咥えて食そうとすることが判った。