2017年4月22日土曜日

アオゲラと口笛でコミュニケーションしてみた。 I called a green woodpecker together by a whistle.

 野鳥を観察するには、対象の野鳥の気持ちになって今その野鳥は何をしようとしているのか?次の行動は何なのか・・・を考える事にしている。ヤマセミの場合は勿論だ。

 繁殖期には特にその行動一つ一つに意味があるので、良く見て、良く考える事にしている。それが野鳥サイドにとって危機感を感じさせないで観察できる大元の基本だと思っている。特に縄張りを気にしている時、伴侶を探している時などは野鳥の生態・行動も判り易い。

 自分ではした事が無いが、良く対象の野鳥の発する声を録音して流すと、縄張りに他の同類が入って来たと思って傍まで来ることが在るらしい。もっともどこかで一度その鳴き声を録音しないといけないので結構難しいのだとは思う。バードコールと呼ばれる小道具もその一つ。

 バードコールの場合はむしろ特定の種とのコミュニケーションではなく、草をかきわけ大きな他の動物が傍に来た時に危険を感じ、全ての小鳥たちが声を潜める場合にその危機感を解き放つために効果が有るようだ。これはバードコールを使わず声真似でグゼリのような声をやると、いきなり周りの木の中から小鳥が一斉に鳴き始めたりして驚かされることがある。

 筆者はこれ以外に特定の野鳥に対して自分の声真似でやってみようと思い、山中、森の中に入ると時々これを行う。今まで確実に効果が有ると思われたのは、アカショウビン、アオゲラ、アカゲラ、ウグイス、イカル、ガビチョウなどだ。

 今日ご紹介するのは繁殖期の相手探し中のアオゲラ。アオゲラは自分の縄張りを主張する場合はドラミングと言って、木の幹を連続的に突々き、ドルルルルルルル♪ という音を出すことが知られている。良く脳天がおかしくならないと感心するが、これがアオゲラなのだ。

 一方、繁殖の伴侶・相方を探すときは「ピョーッ、ピョーッ、ピョーッ♪」と大体において3回鳴く。もし遠くでこの声を聴いたら200m程の距離でも相手は聴こえるから、こちらが風上の時に鳴きまねをする。すると、2~3分後に傍の樹まで飛んで来て鳴く。この時の注意点は相手の声と同じ音階・音程で鳴いて見せる事。音痴にはちょっと難しいと思う。
 しかも人間の口笛ではアオゲラよりはるかに音量もなく細々しているので風下で鳴き真似してもなかなか相手に届かない。

 この3日間、毎日野川沿いで夕方4時過ぎにやってみたら、3日間とも傍の木の梢まで飛んで来た。相手を探しているので高い樹の梢に留まるのがこの時期の特徴だ。
 
大体鳴き真似をして2~3分で飛んでくる。
この日も夕陽の中で顔だけ出してくれた。

この日は日没後、木々の間を飛び移りながら鳴いていた。
ジーッとしていないのが繁殖前のアオゲラらしい。
遂には木のてっぺんまで登って四方を探していた。耳は非常に良いらしい。あまり毎日騙しているようで申し訳なくなり、三日で止めた。