2016年3月20日日曜日

ヤマセミ生態シリーズ #11.ヤマセミ採餌シーンの色々! Ecology report of the Crested kingfisher #11.

 1か月ぶりにヤマセミの生態シリーズに復帰!今日はいろいろな採餌シーンをお届け。全国広しと言えども、毎日ヤマセミの採餌シーンをブラインドに入らずとも幾度も観察・撮影できる所はそう多くはないと思う。

 もちろんヤマセミに出逢える時間帯は早朝、夕方日没前後に限られるが、実は真昼間12時前後も通年で採餌することが多い。もちろん繁殖期には育雛時期を中心に朝から晩まで採餌している。育てている雛の数に比例して採餌回数は多い。

 一昨年の巣立ち観察記においては一日の給餌回数が早朝4時から日没までの13時間でオス6回、メス5回に達している。この時の雛の数は5羽、うち3羽が巣立ち、1羽が巣立ち直前に巣穴から落下、さらに一羽が巣穴に入った青大将に食べられている。まだ5羽が居た時期の給餌回数が計11回という事は雛一羽平均2匹を食べている計算だろう。

 もちろん数日間巣穴の前で終日車の中からの観察なので、その数日の採餌場は見ていないが、当然2羽の親は自分達も食べる訳で採餌ダイブの回数はさらに多いだろう。ヤマセミの場合は蜂の巣探しと異なって蜂を捕らえて紙縒りを付ける訳に行かないが、基本的に一番近い河川で採餌するので距離は人吉界隈においては100m~500mの間になる。一番近い場合は80mという事もあった。

採餌した餌を誇らしげに見せつける。

更に傍の岩まで寄ってきてさばきに入った。

もう呑み込む直前には魚種が判らなくなるほどになってしまう事がある。

ご存知の叩き付け動作。骨を砕き呑みやすくしている。雛に持っていく際は特に念入り。

下の画像の岩にランディングする前尾羽を水面につけてブレーキをかけているように見えた。


これは、相当の大物!カマツカかドンコの類だと思われる。人吉在住の辻先生の撮影。毎朝ヤマセミの観察をされる方でも滅多に無い大きさだとの事。