2015年3月8日日曜日

オジロワシをボコボコにしたタンチョウの凄さ!Great image of the Red-Crowned Crane which repulsed a white-tailed sea eagle !

 今日は根室の春国岱にお住まいの川村氏が撮影された衝撃的な画像をアップする。今回根室バードランドフェスティバルは爆弾低気圧の影響でアウトドア・イベント催事はほぼ全てがキャンセルになってしまった。しかしその合間を縫って数々の撮影が出来た事はこの先このブログで成果をご紹介していく予定だ。

 そうした中、春国岱に面する湖畔のレイクサンセットというログ(丸木)小屋のコテージ宿と美味しいレストランを経営している川村さんに色々なお話を伺うことが出来た。レストランにはこの場所に住んでいなければ撮れない素晴らしい写真が沢山展示されていた。野鳥と景色が見事に表現されていて、どれも欲しくなる作品だった。
 野鳥と見ると野鳥図鑑の説明用写真の様に、とにかく野鳥に近寄ってアップで撮ろうとするアマチュアカメラマンとは全然違う理念の元、心安らぐ素晴らしい撮り方だ。非常に学ぶ所が多かった。

 その川村さんが「こんなシーンも撮れたんですよ!」と、奥から持ってこられたのが今日ご紹介の物凄い瞬間の写真。今までタンチョウに対して描いていたイメージがまさに180度ひっくり返った自然界の、そうして野鳥界の脅威を感ずる貴重な写真だった。川村さんご本人の了解を得て此処にご紹介させて頂いた。
原因は何だか判らないそうだ。オジロワシが血相を変えて戦闘モードでタンチョウに向かってくる所から画像は始まる。この瞬間からシャッターを切られている事が凄い事だと思う。自然界の異変に気が付いた瞬間即カメラを向けてシャッターを切れる反射神経と観察力が素晴らしい!

オジロワシの攻撃を受けて仁王立ちして迎え撃つタンチョウの凄さ!まだ誰も視た事が無い瞬間だろうと思う。ヤマセミの縄張り争いを散々撮影したが、やはり突っ込んでくる敵を受ける側はこのように主翼を広げて大きく見せるのを視ている。種は違えど戦いの基本はまったく同じなのだ。

受けると見せかけた瞬間、ひらりと体をひねったタンチョウ!見事な体かわし。思わずオジロワシは湖水に突っ込んでしまった。「しまった!」という表情まで見事に写し出されている。

次の瞬間!なんとタンチョウが湖水に落ちたオジロワシを足で踏んづけたのだ。幾らオジロワシが大きいといっても、さすが鶴の王者タンチョウの大きさには敵わない。

更に足で踏みつけ、上からバンバン叩きのめしたようだ。本当はこの場面でタンチョウがその鋭いくちばしで上から体重を掛けながら突いたらオジロワシは絶命したかもしれないという事だ。あの鉄道工事に使う「ツルハシ」はこの鶴のくちばし「鶴嘴」から来ていると川村さんに教わった。眼から鱗だった。此処でトドメを刺さないのが自然界の慈悲の部分なのだろう。

オジロワシが「覚えて居ろよ!」と捨て台詞を残したか否かは知らないが、すごすごと帰っていく後姿を見送るタンチョウの大きさ!「専守防衛」の真髄を自然界の事実で見たような気がした。

このお話を聞いて今回根室に来て一番の感動を覚えたような気もする。雪解けが進み4月以降こ春国岱エリアでこのような場面を見られる可能性があるようだ。勿論突然行ってもこのようなシーンにはまず出会えないだろうが、これ以外の自然界の脅威には幾らでも接することが出来そうだ。

川村氏の経営するレストランとログハウス「レイクサンセット」は国道44号線沿いの素晴らしいロケーションに建っている。是非数泊する事をお勧めする。とにかく料理が美味い!根室市内で何処か美味しいところを探すなら、此処に来たほうが早いくらいだ。最初は筆者も根室の野鳥の会の方に勧められて此処を宿にしたのだった。勿論川村氏ご自身も日本野鳥の会のメンバーだ。

レイクサンセット http://www.lakesunset.jp/

なお今回掲載させていただいた衝撃の画像は勿論川村さんに版権がある。勝手に使用したりどこかに転載しないように、チェック機能が働いている。何かで使用する場合は川村氏に了解を取って頂く事になっている。