昨日のTVニュースやSNS、ネットニュースに大々的に出ていた「京都の奥座敷『貴船』」の川床料理屋への観光客溢れで酷い交通渋滞!
https://news.yahoo.co.jp/articles/9c34c11a120c29eaad00f64f3882caab0cb0b948/images/000
この貴船エリアの川床料理、納涼料理として最近人気が集中している様だ。筆者も夏季に避暑夕食を兼ねて5~6回客人をもてなした場所、2010年頃は三年連続で訪れている。一度は日本人同士、残り二回は外人の友人や仕事関係者。
2010年頃の訪問ではいずれもホテルオークラ京都の関連施設であった粟田山荘(※現在は営業していないようだ)、夏~秋は貴船の川床料理屋「右源太・左源太」のいずれかだった。
筆者が摂ったコースは六皿、最後はマスクメロンでの締めだった。
川床の真下は勢いよく清流が流れていくので天然クーラー、寒いくらいだった。
今回は別にこのブログ、京都案内でも川床料理のPRでもない。要はこの貴船周辺が今、外人観光客はじめ日本人の若い観光客が集中し、交通が大混乱状態だというのだ。
今から15年ほど前、2010年頃は京都観光のメインは従来の京都市内が中心、大原三千院迄足を延ばす者もさほど多くはなかった頃。
ましてや貴船の川床料理を目指す者は余程の地元事情通か、地元在住者が殆どだったように思う。
筆者も京都在住の友人の話でよく知っていたものの、実際には行ったことが無かった。客人含めてホテルオークラ京都のセットだったので、ホテルから貴船エリアまでは送迎車付き。たいがい夜だったので混雑などは全く感じなかった。
それが、今現在はこういう状態だという。まずはテレ朝「羽鳥真一モーニングショー」での紹介映像から・・。自分的にはちょっとこれは信じられない。
要は何故こうにまでなってしまったのかというと、旅行会社のパンフでも、JR東海のパンフでも「そうだ、京都へ行こう!」の京都中心部を大混雑にしてしまったあのTVコマーシャルでもない。ここ数年来京都を目指す観光客の情報源の大半がスマホ経由のSNS投稿なのだ!
この動画の半分以上で外人客たちが口々に言っていた「SNSで赤い灯篭が並んでいるのを観たから行こうと思った」という事だ。観光業者がウリにしている有名な景観やお約束の風景ではないのだ。
観光業者は西洋人ほか外人さん達の求めている「日本らしいモノ・所」が何であるか?SNSなどで探しまくるべきではないだろうか?観光マーケティングがいまや滅茶苦茶なような気がする。ベテラン観光業者の「感性・常識」は今やガラパゴス状態だと知るべき。
彼ら外人客のお目当てはもはや大混雑の京都寺社の紅葉、永観堂や南禅寺、嵐山の紅葉、嵯峨野の化野念仏・竹林、祇園の舞姑や芸姑、あるいは清水・金閣寺ではないのだ。
自国には無いエキゾチックJAPANらしい風情で、まだ普通のメディアでは見た事がない京都ローカルをSNSで探し込んで来るのだ。この動きは富士山と赤い五重塔を一緒に撮れる富士吉田市の新倉山浅間公園。あるいは道路に観光客が出て規制騒ぎになった富士山を真上に撮れるコンビニなど。いずれも観光パンフになど最初は出ていなかった場所。
もう京都観光案内本、パンフの時代は完全に終了。今世界中のインバウンドと一括りにされる外人観光客大集団はSNSの情報発信を信じて頼ってくるのだ。
2003年頃の東京駅中央コンコーの観光案内キャンペーン
2003年頃の東京駅観光旅行JR東海ツアーズ
当時の観光案内主役はパンフレット
地方では以前観光関係者の懇親会付きコンファレンスが行われていた。もし未だにこんなことやっているようでは、ガラパゴス化も甚だしい。客(特に外人集団)と観光業者との乖離は、政党と国民の乖離によく似ていないか?
国内の各地方都市でも関係者が思い込んでいる地元の観光資源と、そこへ訪問する観光客たちの期待と思惑が全く違っている事にまったく気がついていないだろう?
個人情報収集端末スマホのおかげで観光バスに客を満員乗せて「団体・御一行様」で処理する旅行客対応スタイルはもう終わったのだ。そういう宿には海外からの客は来ない。
今回は参院選の選挙訴求方法、メディア選択と同じような事が、観光産業界ターゲットの情報収集方法に大きな変化が来ているというご紹介。