2023年11月4日土曜日

団塊世代は一人旅ほど心を休ませてくれるものは無いと思う。 I don't think there is anything more relaxing for baby boomers than traveling alone.

  筆者は思いのほか友人が多い。人に言わせると「少し多すぎないか?」とも言われてしまう。自分でもその理由は良く判っている。Facebookで繋がっている人が多いとかではなく、今まで生きてきた経歴上生繫がりが多いのだ。

 Facebook友達はツーと言えばカーと来るような方にのみ絞りつつあり、始めた10年以上前から常時100名以上には増やさないように厳しく調整している。

 年間一度もコミュニケーションしないFB友は今後もコミュニケはしないと思う。

 学校時代の昔から色々なスポーツをやり続けたため、そのスポーツジャンルの著名人・同僚・かっての選手仲間との交流が多い。

 高校時代のバレーボール部、大学時代のサッカー部、社会人時代のアイスホッケー。それに長野オリンピック・スノーボード競技役員を担当した結果の繋がりもあって、スノーボードのコーチや当時の現役選手などとの交流も多い。

 1980年頃30歳台にして始めたウインドサーフィンに関しても、湘南の葉山森戸神社裏のファンボーダー「ジンジャーズ」メンバーや、リクルート フロム・エーさんがスポンサーになって10年間続いたアマチュアのウインドサーフィン大会関係のスタッフ・参加選手たちとの繋がり。

 更にはハワイ中心に国際大会をやった関係で世界のトッププロとの繋がり、その際散々お世話人になった世界的著名なカメラマンなど・・。

 仕事上、スポーツ種目がらみの繋がりは一般的な人々より多いのは当然かもしれない。しかも、そのほとんどはインスタ繫がりとかLINE繋がり、あるいはFacebook繋がりよりも、「生繫がり」の方がはるかに多い。

 もちろん、この友たちは自分にとって大切な財産。

 しかし、そういった日常の人の渦(とても良い渦だが)の中から一定時間、たった一人で別世界に離れたいという癖が20代の頃からあった。これは、東京などと違って大自然がごく身近にある地方で育ったからかもしれない。

 今でも、3日に一度は緑のある緑地帯や野川流域を徘徊しないと体調がおかしい。

 大都市ながら山の麓にあった小学校は貧乏な国立大学系の附属小学校木造の校舎で、教室に電気の明かりは無く、夏など教室の後ろを蛇やトカゲが平気で横切るような環境だった。 

 中学校二年で東京へ一人で上京して下宿しても、予習復習などせず学校が引けると広い多摩川や近所の緑地帯を自転車で走り自然の空気を吸うのが日常だった。

 この習慣は、今まで生きてきた中で体育館スポーツや競技場内でのスポーツではなく、ウインドサーフィンやスノーボード、クロスカントリースキーなど大自然の中で天候に左右されるスポーツを好んで行うことにつながっている。人混みと閉所が嫌いなのは生まれつきなのだろうか?

 21世紀になり60歳を超えてからも、野鳥撮影などで大自然の中の単独行・宿泊旅が非常に多いというか、ほとんどがそういった単独行の旅が続いている。自分の車での移動でも、新幹線や航空機での移動旅でもこれは変わらない。

 同じ団塊世代の友に訊くと、たった一人で何処かへ行くなんてことは随分ないなぁ、という返事がほとんどだった。酒飲んで温泉風呂(もしくは宿の風呂)入って・・という旅に一人で行くなんぞは映画の中の健さんや寅さんぐらいだろう?という事らしい。

 最近は女子の一人旅も非常に多い。夜の食事の時など「何処から?何をしに?」と声をかけられる事も多いが、「日常の喧騒から逃れて一人で静かな無言の時間を楽しみに来てます」というと二度と声を掛けられないで済む。

 親からのDNAのおかげで酒は一滴も飲めないし、風呂や温泉も大嫌い(これはDNA関係ない)という筆者だが、一人旅ほど気楽で好き勝手に動ける楽しみは無いと思っている。もちろん写真撮影という大きな楽しみ中心の旅だからこそなのだろうけれど。

 そんな中、信州霧ヶ峰の山奥にあるヒュッテ御射山(みさやま)は、もう相当長い事通う高層湿原八島ヶ原(=1650m)の一番奥に存在する。宿に車で直接乗り付けられないのが自分にとって一番合っている環境だと思っている。

 公共駐車場に車を置いて、木道を30分歩いて行かないとヒュッテに到着しない。しかもすぐ傍に「クマ出没注意」の看板がある場所だ。

 今まで述べ数十泊の滞在中、このクマに遭遇したことが有るか否かは答えない。影響が多すぎるから。

 しかし昨年2022年はほんの直線距離で1.8㎞しか離れていない霧ヶ峰グライダー場脇でクマが一頭捕獲されているのは事実だ。数年前は沢渡でも・・と長野県のホームページに出ている。今年は多いだろう、トレッキングの人々も皆さんクマ鈴を鳴らしている。

 世の中、他にいくらでもあるヒュテや宿に何故泊まり歩かず、定宿のこのヒュッテにお世話になるかというと自然が豊富だという事と「安心・落ち着ける」のが一番。食事と珈琲が美味しいのもあって他に行く気がしない。

 言葉を羅列するより画像羅列で、泊まりたい理由を判って頂ければ嬉しい。

 

 出来たのは昭和30年代後半ではないだろうか?周りには何もない頃。筆者中学生の頃。当時霧ヶ峰は相当な僻地で霧が多い(これは今でも)ため、道に迷った遭難者が多いので山小屋が必需だったらしい。今でこそ春~秋季は近く(と言っても相当歩く)までバス便もあるが、冬季は無い。

こういう場所であることだけは、認識・覚悟しておく必要がある。単なる脅しではない。

最初の古い写真のちょうど反対側からの眺望


昔はランプ、今は電気が通じスマホ電波もやっと一本だけ立ったり消えたりする環境。

相当古いレコードや本がある。

薪ストーブのぬくもりは今やなかなか無い貴重なものだ。

本物の薪、毎朝若い支配人がせっせと薪割をしている。

聴力検査かと思うほどのかすかなジャズが心地よい。

米粒一つも残さない。毎回完食の夕飯。

このサラダは非常に美味しかった。


ロールキャベツ、新宿のアカシア張りだ。

年々改良され、食事などもグレードアップしてきた。しかし自炊も十分可能。