2023年12月16日土曜日

団塊世代は我が国赤字路線トップクラスJR肥薩線の復旧を訝しむ。 I am suspicious about the restoration of Japan's top-class JR Hisatsu Line, which is one of Japan's most deficit routes.

  今日のブログはいつもに増して非常に真剣だ。

 2020年7月の球磨川流域豪雨災害でほぼ全滅に近い状態となったJR肥薩線八代-人吉間。ここへきて、地元熊本では肥薩線の復旧問題がメディアに載るようになってきた。

12月14日付地元熊本日日新聞

同日付 地元人吉新聞

 しかし、報道経緯を見る限りあまりにも単純な「復活への地元論理」が前面に出ているような気がして仕方がない。

 筆者は思う。「復活を切望する地元の方々は一体どれだけ肥薩線を利用・活用してきたのだろう?」残念ながら被災前のデータは「ほとんど利用されていなかった」事を示している。

 国民の税金を何百億も使い「利用もしない地元住民の気持ちに答える」事がどれだけ論理的でないか?全国の人々に訊いてみると良い。復活した後の活用保障・利用約束などの具体的運用プランも示せないまま「復活してほしい要望・気持ち」を盾に訴える地元沿線エリアの人々・行政の動きを訝しむ筆者だ。

 百年の鉄道史跡財産、球磨川の渓流河川美・・この二つを軸に肥薩線復旧を唱える地元の方々。しかし、肥薩線を走る列車に乗っていては古い煉瓦のトンネルは見えないし、かってあった赤い鉄骨トラス構造の鉄橋もほとんどが流出し再建しても鉄道歴史資産価値は無い。

 それに球磨川自体のゴミの多さ、全国でもトップクラスのゴミの量。地元の方々はこれに気が付いていない。「洪水が多かけん、しょんなか」で済ませてきたのだろうが、筆者ヤマセミの観察・撮影を10年以上続けてきて、誰よりも球磨川のゴミの多さ(ビニールがたくさん木々に引っかかったまま通年放置されている)を知っている。

 しかも、そのビニールゴミの大きさは普通の地元住民の家庭で出るごみ袋とかではなく、業務用の例えばビニールハウスの材料の様に大きなものだ。家庭から長さ2m以上のビニールゴミは出まい?工業・農業、建設・建築業、運送業の材料だろう。

 ヤマセミ画像をPCのソフトで修正するのに一番多いのが此のゴミの消去だという事、誰も知らないだろう。これは球磨川本流も川辺川も変わらない。いくら川の水がキレイで水質が日本でトップでも、川原に降りて間近に川を観れば実態は決して「清流」などではないのだ。

単に水質が良くても、河川の河畔のゴミが多ければ「清流」ではないだろう?

  特に筆者は東京から通うよそ者だけに、その汚らしさが気になる。地元の人たちはこういった「外から来る人の話」を訊こうとしない。

 空港の傍の住民が離発着の航空機の騒音に慣れてしまう、あるいは高速道路わき、新幹線の路線脇の騒音に住民が慣れてしまうのに似て、球磨川流域の方々はもう慣れっこになっているのだろう。外から来る観光客の「汚さに驚く声」には目をつぶってきたのだろう。

 清流球磨川、実は流域ゴミだらけの清流なのだ。観光客が目にしそうな場所だけでもゴミを除去し奇麗に見せるくらいの努力をしないのだろうか?球磨焼酎やアユ料理だけで観光客が良い印象を持って帰ってくれるとでも思っているのだろうか?これだから人吉球磨の観光関係者は全員素人だと言われるのではないのか?

 いくら旅館やホテルなど宿泊施設が客対応でサービス・気遣い・もてなし努力をしても、名所、売りの自然河川美を保つ努力をしなければ悪い印象・噂はあっという間にすごいスピードで広まってしまう。

 河川ゴミを除去する努力もせず放っておいて「河川美・渓谷美」を観光資源だと平気で言う神経が判らない。行政も地元ボランティアもこれら増水のたびに木々に引っかかるビニールゴミを「次の洪水で流し去って呉れよう・・。」と言い訳をして放置するのだろうか?

 肥薩線に乗ってのみ味わい体験できる肥薩線と球磨川の魅力。筆者もよそ者の東京人ながら特急かわせみやませみ号運行開始(2017年3月)に合わせ、自費でPR写真集を6千冊制作し、JR九州・人吉市/八代市の市役所に無償進呈(=5,000冊)した。


 果たして肥薩線復活を訴える地元の有志は、こういった地元の魅力・情報発信を体を張って行っているだろうか?アンテナを張って毎日情報を収集している筆者の耳にはそういった具体的行動は入ってきていない。

 2020年球磨川大災害の直後、肥薩線復旧に関して筆者が憂えた内容のブログシリーズをご紹介したい。

 お時間があるときにでも覗いていただければ嬉しい。何かの役に立つかもしれない。

①緊急投稿!球磨川沿いの肥薩線の復旧を考える。その1.  Consider restoration of the Hisatsu Line along the Kuma River. Vol 1.

https://yamasemiweb.blogspot.com/2020/08/consider-restoration-of-hisatsu-line.html 

緊急投稿!球磨川沿いの肥薩線の復旧を考える。その2.  Consider restoration of the Hisatsu Line along the Kuma River. Vol 2.

https://yamasemiweb.blogspot.com/2020/08/consider-restoration-of-hisatsu-line_26.html

緊急投稿!球磨川沿いの肥薩線の復旧を考える。その3.  Consider restoration of the Hisatsu Line along the Kuma River. Vol 3.

https://yamasemiweb.blogspot.com/2020/08/consider-restoration-of-hisatsu-line_28.html

緊急投稿!球磨川沿いの肥薩線の復旧を考える。その4.  Consider restoration of the Hisatsu Line along the Kuma River. Vol 4.

https://yamasemiweb.blogspot.com/2020/08/4consider-restoration-of-hisatsu-line.html

緊急投稿!球磨川沿いの肥薩線の復旧を考える。その5.  Consider restoration of the Hisatsu Line along the Kuma River. Vol 5.

https://yamasemiweb.blogspot.com/2020/09/consider-restoration-of-hisatsu-line.html

緊急投稿!球磨川沿いの肥薩線の復旧を考える。その6.  Consider restoration of the Hisatsu Line along the Kuma River. Vol 6.

https://yamasemiweb.blogspot.com/2020/09/consider-restoration-of-hisatsu-line_2.html

緊急投稿!球磨川沿いの肥薩線の復旧を考える。その7.  Consider restoration of the Hisatsu Line along the Kuma River. Vol 7.

https://yamasemiweb.blogspot.com/2020/09/consider-restoration-of-hisatsu-line_3.html

少し飛んで、この時の最終回。※ブログの右に在る過去ブログをご覧いただければすべて見られる。

緊急投稿!球磨川沿いの肥薩線の復旧を考える。その16.(人吉・球磨の独自性を生み出す) Consider restoration of the Hisatsu Line along the Kuma River.Vol16. (Create the uniqueness of Hitoyoshi Kuma)

https://yamasemiweb.blogspot.com/2020/09/16consider-restoration-of-hisatsu-line.html


この後暫くして、新シリーズを投稿した。

新① 緊急投稿!新・肥薩線の復旧を考える。その1.(なぜ人吉・球磨だけでモノを考える?) Consider restoration of the New Hisatsu Line. Vol 1. (why think about only Hitoyoshi-Kuma alone)


新③ 

緊急投稿!新・肥薩線の復旧を考える。その4.(川辺川ダムが在っても洪水は起きた!)) Consider restoration of the New Hisatsu Line. Vol 4. (Flood occurred even if there was a Kawabe River dam!)


 本気で人吉球磨の活性化を考えるのであれば、豊富な知識と現実・現場を知っている人吉出身者・球磨出身の有識者を集めて知恵を借りるのが最善ではないだろうか?

 これだけ大仕事、100年後の子孫のために行う大事業。地元の人間の知恵だけで事は進む訳が無い、それもほとんど他からの資金をあてにしながら・・・。

 例えばのプランはいくらでもある、考えられる。そのうちこのブログで・・・乞うご期待。