つい2日前、正月元旦発生の能登地震の地震時の直接死者数229名に、地震後関連死者数が22名加算され55名になった。これで2016年発生の熊本地震の死者数を超えたことになる。
地震の規模を映像や画像で見られる状況被害と、数値で統計される実態は相当違うという事を思い知らされた。
2016年熊本地震 直接死者数 55名 関連死者数218名 関連死者数比率約80%
2024年能登地震 直接死者数229名 関連死者数 52名 関連死者数比率約18%
能登地震はあれだけ大火災や津波があって直接亡くなった方が229名に対し、それから半年6か月経って22名が付け加えられ関連死が52名になった。関連死者数は直接死者の20%に満たない。
それに対し熊本地震は直接死者数の4倍近くもの関連死者が生まれている。
この数値の差は一体何なんだろう?この先能登地震の関連死者数が熊本地震と同じ様な比率で行くと関連死者の合計は1,000名を超える計算だ。
能登地震は激震に加え津波の被害も加わった為、熊本地震とは地震被害の規模も形態も違う。家屋の倒壊に加え大火災も起こった為、倒壊した家屋の下敷きになったまま救助の暇なく炎で命を無くされた方も多かったろう。
能登も熊本も高齢者比率が高い地域だという。逃げ遅れ、闘病中、いろいろな条件の悪さが重なって熊本地震の関連死者数が高いのだろうか?能登も今後同様になるのか?
両地震に対する専門家の比較分析が待たれるところだ。
直接死者数と事後の関連死者数を簡単に比率で比較はできないだろうが、熊本地震の事後の関連死者数の比率は他の国内で起こった各大地震の比率を比べても異様に高いのは何故だろう?以前から気になっていた。単に人口が多い政令指定都市で密集地だからなのだろうか?それで行けば阪神淡路など大阪・神戸といった更に過密都市の地震の場合の割合は随分低いから理由にはならない。
何か熊本県熊本市には他とは違う風土的な特異性でもあるのだろうか?医療体制が悪いとか、関連死と認定されると遺族サポートシステムが動くとか、あるいは地震で阿蘇山の伏流水(熊本市の水道源泉は阿蘇の伏流水)に異変が起きたとか・・。
この地震の関連死というものの基準は一体何なんだろう?この理由を詳しく知っておかないとこの先起こる巨大地震に対する事後・手当・防御の準備が出来まい?メディアに対してこの辺りの掘り下げを願いたいと思う。
この先、日本各地で必ず大きな地震が起きると言われている。熊本市より更に人口密集地の首都圏などで直下型が起きたら・・・考えるだけでそら恐ろしくなる。
今進んでいる東京都知事選で、候補者の多くが訴えている東京の地震災害への対処方針。抽象的な選挙用の言葉でしか訴えていないが、少なくとも神宮の杜(自然林の森ではない)の木を環境破壊・景観破壊だから伐採するな・・とかいう無知から来る低次元の論理で訴えるよりはるかに現実的で、切実な問題だ。
ムードや個人のメディア上のイメージ好き嫌いで投票してしまう人々が多い都知事選だが、「私にやらせてください!」などと言う抽象的な訴えや、若者の味方のようなふりをして美辞麗句を並べる訴えではない、具体的な提案と実行力のある候補へ是非一票を投じて欲しいと思う。無理かもなぁ?