最近の世の中の事象を色々見ていると、政府や行政、専門家の公表している「指針」が、どうも実態と大きくかけ離れていることが多い事に気が付く。
こうした国の指針や行政の出すガイドラインは、それなりに専門家の研究データをベースに作られているのだろうけれど、最近10年間に現実に起こった事象はそれら予測した「指標」とは大きくかけ離れている。この部分が筆者の憂えている所だ。
これらをいくつか順を追ってご紹介してみたい。
① 大きな地震の発生地が予測エリアと大きくかけ離れている。
今年1月元旦の能登半島の地震、2016年の熊本地震、いずれも専門家の作った地震の全国ハザードマップでは一番発生確率の低いエリアだった。
勿論、3.11のエリアは以前から言われてきた大地震予想地区だ。それだけにそういう場所に危険な原発を作り、専門家の出した想定津波の研究データを握りつぶした国と東電は、未来永劫叩かれて当然だと思う。
次に・・。
② これは行政ではないが、全国住みやすい市町村のランキングに、なんと3年半前に大雨大洪水で町中が水浸しになった人吉市が9位にランクインしている。
家の二階まで水没する大災害をつい3年前に経験している都市が、何故住みやすい市町村全国ランキングの9位に入るのだ?
ランキングのチェックポイントに「リスク面」は加味しないのだろうか?良い面ばかり見て調査していては「住みやすい」などと言う差異など出る訳も無かろうに?
個人的にはヤマセミの観察撮影で300泊以上した人吉市だもの、一般の人以上に思い入れはあるが、個人的応援の気持ちは置いておいて、この手のランキングの仕組みのいい加減さを指摘したい。決して人吉市を責めているのではない。
ただ、このランキング順位が示すとおりにもし本当に住みやすければ、人吉市の人口が減っていく理由は何なんだと問いたい。本当に住みやすければ増えて当然ではないか?
人吉市の人口推移
9位に入った熊本県人吉市は、街の中心部で洪水ハザードマップが2~3.5mの所ばかりだ。地形上仕方がない遥かな昔から洪水の名所なのだ。数十年に一度は家々が水没することが判っている場所がどうして住みやすい、住みよさランキングで全国のTOP10に入るのだ?
「住みよさランキング」のチェックポイントに自然の驚異に強い・弱い・・などと言う項目は無いのだろうか?こんなランキングなどとんでもない「大嘘」だと思う。
安心度において全国14位ってナニ?これだけをとってみても、この東洋経済のランキングが如何にいい加減か判ると思う。
「住みよさランキング」の決め方、あるいはチェック項目を出さずして、結果だけをメディア公表する・・全てが作為的と思われても仕方がない。
特に「安心度」で全国14位というのはブラックジョークに近い。洪水で家を流され仮設住宅で未だ暮らさざるを得ない人々へ失礼だと思わないか?洪水で職を失った人々、洪水で建物を失い商売を辞めざるを得なかった方々に失礼だろう?
③ 売り出し価格が高くて客が一人も居なかった奥日光ツアー。400万を290万で再度売り出し!何故そんな価格ダウンが出来るのだ?最初からそれで何故出来ないのだ?
1人400万円の奥日光ツアー、客が寄り付かないからと一人290万円にしたという栃木県。県の役人に問いたい、400万円の中身は一体何だったのだ?そうしてそれをいとも簡単に290万円に出来る理由は?旅行日数を減らしたのか?何なのか説明が無ければ本来290万円で売れる「商品」を400万円で売ろうとしていたと取られても仕方があるまい?鬼か、ドロボーに近い商感覚では?