2023年8月5日土曜日

団塊世代は女子スポーツアスリート盗撮を騒ぐメディアを訝しむ。 The baby boomer generation is suspicious of the media making a fuss about voyeurism of female athletes.

  数日前、全国高校総体(=インターハイ)女子陸上の1500mで岡山出身のドルーリー朱瑛里(岡山・津山高1年)がすごい記録で3位入賞したニュースとほぼ同時に、女子アスリートを盗撮するな!というキャンペーンのようなものが既存メディア・ネットを駆け巡った。

 同時に色々な意見が雨後の筍のように出てきた。

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/317914

https://kailash.co.jp/legals/post-9402/

 読売新聞でもスポーツの大会で女子選手その他を撮影できないように規制を始めたと報道している。しかしちょっと待ってほしい。

 筆者のように野鳥を中心に普段いろいろな被写体を撮影する者の立場からすれば、いったい何なんだ?この動きは?と思うのだ。

 いろいろなネット情報やSNSを見ると、嫌らしい目的で女子アスリートを撮影する昔で言えば「出歯亀」のような奴らがいるのでそれを防御するのだという。

 筆者はそういう連中が女子アスリートを撮影して。いったいどんな風に嫌らしく楽しんでいるのか良く分からないのだが、まじめにスポーツの躍動感を撮影して写真展に出品しようとする写真愛好家の方々の事はどう思っているのだ?

 冒頭に出てきたドルーリー朱瑛里選手が、ハーフで可愛い顔をしている上に驚異的な実力を持ち合わせているからと人気が高く、皆がこぞって撮影する・・。これを本人が嫌がって試合に出ないケースも出てきているとの報道らしい。しかし本当か?

 予選で敗退してもアップで報ずるメディア、特別扱いして皆の注目を集めているのはメディア自身じゃないか?もう芸能タレント・アイドル並みの報道。
 こういう扱いをしておきながら一般人が撮影すると盗撮だの肖像権だの言いだすメディア。筆者は非常に訝しんでいる。
 メディアはあの女子カーリングの藤澤五月のムキムキボディとドルーリー朱瑛里選手の差をどのようにつけているのだ?一括りで女子アスリート盗撮禁止!と簡単にグループ化しているが、何かおかしくないか?女子アスリートはみな同じなのか?

 しかし、ここで、ちょっと待てよ!。。と言いたい部分がある。

 このドルーリー朱瑛里選手、本当に報道にあるように観客の盗撮、スタジアムで観客席からレンズを向ける人々が嫌である大会への出場をやめたのか?何か具体的に盗撮されてネットに出された投稿で本人が「これ嫌だ!」と指摘したものがあるのだろうか?

 その辺りを本人の言葉で正確に伝えたメディアは今のところ見当たらない。

 メディアが盛んに取り上げるアップ写真入りの記事を見て、大会を見に来る観客が増えるのは当たり前の事だろう?そうしてスマホだろうがデジタル一眼の望遠だろうが、撮りたくなるのは当たり前だろう?上野公園のパンダと同じだもの。そのパンダと同じにしてしまったのは誰だ?メディアだろう?

 本人が嫌がっているのは観客にスマホで撮られたりカメラを向けられることではなく、メディアの自宅や友人にまで取材に来る取材攻勢を嫌がっているのだと出ている。

引用⇒陸上以外のことも大きく報道されて戸惑いました。私は可能な限り普通の生活をしながら陸上を続けていくことを希望しています>PRESIDENT onlineより

 https://president.jp/articles/-/67169 参照

以下同様に抜粋

「日本のメディア、特にスポーツ紙や週刊誌、ワイドショー番組などは熱しやすく冷めやすい体質で、とかく大袈裟な表現でとりあげる傾向がある。注目の選手は部数や視聴率を稼げるということもあり、実力以上に持ち上げる悪い癖があるのだ。」

つまり、メディアが本人が取材攻勢に辟易して、純粋スポーツ以外の芸能人的興味で取りあげたり取材するのをやめてほしいと言っているのを、女子アスリートが盗撮されるからいやだと言っている・・・という話にすり替えているような気がする。非常に卑怯だ。

女子サッカーワールドカップも予選リーグで無失点・全勝のなでしこジャパンへのメディアの期待記事を見たか?今大会は優勝して当たり前・・のような書き方で沸き立っている。

すべてのスポーツの大きな大会に出る日本選手、日本チームへの過剰な期待報道はもう見ていて毎回辟易しているのは筆者に限ったことではないだろう。メディアのお陰でどれだけのアスリートが期待と重圧につぶされ消えていったか?

1964年東京オリンピックでマラソン3位になった円谷幸吉選手を思い出すが良い。次のメキシコオリンピックでは金だ!と、多大な期待をかけ報道したメディアが結局若き円谷選手を自死に追いやった。メディアの無責任なアスリートへの期待の掛け方と嫌らしさはこの時から何も変わっていない。

なでしこジャパン JFA公式インスタグラムより

39号ホームランを打った大谷翔平の次の日の試合の見出しは、「驚異のスピードで40号へ!」だもの。海外で活躍している彼は、いちいち日本のメディアの無責任な見出しは見ないで済んではいるが。

期待するなとは言わない、日本人(観客サイド)は既に日本のメディアに慣らされてしまって、どんな見出しでも驚かなくなっている。

例えば、女性の「つけ過ぎに気が付かない香水」みたいなもので、受ける視聴者は「くさい!臭い!」と嫌がるのにメディアの担当者の感覚がマヒしていて、これでもか、これでもか・・と過剰見出しの臭さに全然気が付いていないのが現状なのだろう。

大して雨が酷くないのに、排水溝へ流れ込む水の流れをドアップで撮影して「現場はこんなに大変です!」と報道するレポーターとまったく同じだ。「事実報道」を過剰演出する最近のTV局などメディアの悪しき習慣だと思うが如何だろう?

しかし注目を浴び多大な期待をかけられるアスリートはたまったもんじゃないだろう?

正直、筆者は女子アスリートを撮影をしないので良く分からないが、撮影した者はその写真を撮った後どうしているのだろう?個人で見ているだけではなく、メディアが言うように、嫌らしさを誇張し画像処理してコメント付けてSNSやYouTubeに出すのだろうか?もしそうなら犯罪だろ?で、そういう類はどのくらいあって、どれほどの人数居ると踏んでいるのだ?

しかし、そういう一部の悪質な者が居るからと、スポーツ大会ですべての入場者に女子アスリートを撮るな!と決めてしまうのは「ちょっと待った!」だ。

例えば体操男子が鉄棒で開脚で飛んでフィニッシュの着地に向かう姿を、正面から股間のモッコリした部分を強調して撮影する女性カメラマン・スマホカメラマンが居たらどうするのだ?これを規制しないのなら完全な「差別」だろう?

主催者側や団体側はこの辺りをきちんとすることと、「盗撮だ!」と規制する側の基準=盗撮か否かなんて規制する係員の主観(個人個人違って当たり前)でやられたらたまらない、誰もが納得する公平な「盗撮基準」を作って、各方面の理解を得てから撮影規制をすべきと思うが如何だろう?

昔あった、「女性の肌の露出は何処からが卑猥か?」というのと同じで、考え方、感じ方は個人差が非常に大きい。「盗撮の基準」をはっきりとさせないで規制先行で行くなら、今後大騒ぎになるだろう。

水着より小さな布を身にまとい陸上競技をする選手、それは選手の勝手だろう?しかしアスリート側の理由でウエアが変化して、露出部を自分で大きくしておいて嫌らしく撮られるのが嫌だから『盗撮だ』と騒ぐのはあまりに勝手すぎやしないか?

一方的に女性アスリートにレンズを向けると皆「盗撮だ!」と騒ぐ兆候、非常に危険だと思う。写真界は黙っているのだろうか?こんな事では今後写真展に女子スポーツの作品が途絶えるのは目に見えている。

更にこんな事繰り返していると、スポーツ観戦のスタジアム入場者はどんどん減る一方だろう。運営側がそれで良いなら良いが、スマホを持たないでだれがスポーツスタジアムに行って観戦などするものか。スポーツ情報で飯を食っているスポーツメディア、よく考えた方が良い。

ここにその辺りを的確に報じているネット記事があったのでFacebookにもご紹介した。

https://reiwa-kawaraban.com/politics/20210323-02/?fbclid=IwAR360dL4Y_IXIKx2u6vVSVch4l5d8Eo8_2VZ8Tt3AjoAsEMc4mGp6Iv_nu8

これを読んで筆者はこうコメントした。

「前々から気になっていた「スポーツアスリート女子を撮影すると盗撮だ!」と一方的に決めつける傾向、そういう人々・・。海水浴場で水着の女性をいやらしく撮るのとは訳が違うでのでは?チョーチンブルマ+Tシャツから水着より小さな布しか身に着けなくなった陸上、ビーチバレーなんかアスリート側が自ら露出部を広げているんでしょ?

カメラマンは昔から沢山いた!そんなこと言いだしたら清水崑監督の映画「東京オリンピック」なんて今一般の人たちが撮影したら盗撮だらけになってしまう。チャスラフスカの平均台やタマラ・プレスのでーっかいお尻のアップなんかどーするの?

自分じゃ撮らないジャンルだから今まであまり気にしていなかったが、ちょっとメディアが変な方向へ騒ぎ過ぎのような気がする。このサイトはこの問題を掘り下げる意味で重要かと・・。」