今年に入って山開き以降、富士山へ上る登山者たちのトラブル報道に「無謀登山の挙句、死亡・救助要請」があまりに多いことを憂えていた。
山に登って自損事故でトラブって死んだり怪我する者は「自業自得」だと基本的には思っている。上から転がってきた登山者の巻き添えで滑落したり打撲してトラブった方はもちろんそうではないが・・・。
だが、山とは基本的にそういう危険がそれこそ山ほど存在する場所だと覚悟して登っているのだろうから、ある面仕方がないとは思う。高速道路で無謀運転の巻き添え事故に遭うようなものだろう?
そういう危険があるのは承知で高速道路は利用するだろう?富士山も同じだろうと思う。
しかし、今年のメディアの報道は昔の谷川岳や北アルプスでのアルピニスト(これも死語か?)の登山遭難とは異なった、一種異様に見える観光地の混雑報道をしているように思うのだが、そう思うのは筆者だけだろうか?そこが危険と紙一重の国内最高標高の高山であることを充分報道しているだろうか?
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000311132.html
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/642787
弾丸登山なんて、個人的に思うのはそれを許す富士山への登山関係者がいけないと思っている。富士山へ登る登山者をもっと厳しくチェックし、無法登山を制限すべきではないのか?あの尾瀬ですらいろいろな規制・制限を設けているというのに・・。
筆者は疑問に思うのだ、富士山への登山はいくつかのルートがあり、静岡県側、山梨県側それぞれから在るのだろうけれど、各登山口での登山者の管理・規制はどうなっているのだろう?
筆者は乗鞍岳3,000m地点の雪渓で5月に開催された宮様フューゲルスキー大会で高山病になってしまったため、高い山へ登る怖さは身を持って知っている。その際は宿のベルグハウスに戻って酷い症状が出たため、故・寛仁親王殿下のご指示で宮務官の方に携帯型酸素ボンベで助けていただいた。
だから筆者も高い山へ登る際の怖さは知っている。しかし今年の情報を見ている限り救護要請した登山者のほとんどは、高山病に関して何の知識も準備もしていないように見受けられる。以下は静岡県における富士山トラブルの最近のデータ。
素人ながら、少なくともこういうルールや決め事を登山前に登山者がチェックし、救助要請をした際の費用負担額や、登山事故者・死亡者・けが人の実例を知っておくべきだろうと思うのだが。
これらをパンフにまとめ、「読みました!理解しました!」と救助された際の費用支払いを了承したというサインをしないと富士山登山は出来ないようにすれば良い。
だのに、なぜ今までそうしないのだろうと不思議でならない。決まりは一体どうなっている?単に注意を促すパンフだけじゃ効果はないと思う。
コロナ過の美術館のように登山者を「事前予約制」にするとか・・。当日いきなり登山口へ行っても登れないようにしても文句は出まい?
安易な弾丸登山などは充分富士山の危険・リスクを理解しているとは到底思えないのだが・・。
特に半袖・短パンなど軽装での弾丸登山者に関しては厳しく、登山者全員に・・・
① 過去の3,000m以上の山の登山経験(国内外の詳細)確認
② 登山装備・防寒・靴・食料・水・高山病の際の対応品(規定を設けるべき)
③ GPS(スマホで可)保持の確認、バッテリー予備保持の確認
④ 救助された際の費用負担の確認(メニューをあらかじめ見せておく)
⑤ 登山計画書の確認
少なくともこれだけを、山を判っている経験者によるチェックを登山者全員にすべきだと思うが・・・。
きちんと富士山登山者たち全員に課しているのだろうか?富士山は遊園地ではない!
これ以外にも登山道でのシュラフ・寝袋睡眠の禁止(場所限定)や半袖・短パンでの登山禁止など、今までの富士山登山の常識から外れた行為の禁止など、もっとガンガン厳しくしていいと思う。
メディア報道を見る限り、「こんなに酷い状況なんですよ皆さん!」的なものばっかりで、軽く考えて弾丸登山する外国人や、死亡事故や準備不足による救助要請が多いことばかり報道している。
メディアも野次馬的に富士山での騒ぎを渋谷スクランブル交差点のハロウィン騒ぎと同様に「ネタ」にして報道するのではなく、こういったトラブルをなくす方向への提案や行動が生まれないのだろうか?
コロナ同様、①昨日の富士山死亡者数、②昨日の遭難要請者数、③昨日までの弾丸登山で迷惑行為(遭難要請含む)の国別明細累計・・をNHKやモーニングショウで発表すべきだろう?
かって富士山直滑降で名を上げた冒険スキーヤー(古いなぁ)の三浦雄一郎さんあたりが、健康食品や機器の広告ばっかり出ていないで、TVに出て諫めないと・・・。メディアも考えなさいよ!