2023年5月10日水曜日

野鳥撮影も目的でいろいろな撮り方があるのだろう。 I guess there are various ways to shoot for the purpose of shooting wild birds.

  野鳥を撮り始めて早18年が経つ。最初は2005年の熊本・江津湖だった。

 写真撮影、最初の頃は「動くもの」であれば何でも良かった。筆者はそれまで写真撮影というものは一切学んだ事が無かった。長年、完全自己流で撮影して来た被写体がアパレルの宣伝販促に居た際の店舗撮影やディスプレー以外は動くものばかり。スポーツのアスリート、鉄道、飛行機、街中の人々ばかりだった。

 したがって、止まった被写体(物撮り)や人間の集合記念写真の撮影などは滅多にやったことが無かった。

 写真撮影のほとんどがスポーツイベントのアスリートの「動いている場面」での瞬間を切り取る撮影ばかりだった。ウインドサーフィン、サッカー、アイスホッケー、スノーボードなど。1980年以降、広告代理店でその手の国際大会などを企画運営・プロデュースしていたため、必然的にそうなった訳で、決して単に趣味でやっていた訳では無かった。

 要は、動くもののある瞬間、一番美しい瞬間!かっこいい瞬間!を押さえることに全神経を使っていたような気がする。それを次回大会の開催ポスター、パンフに使用するための材料撮影でもあった訳だ。もちろん筆者自身ポスター・パンフの類の基本デザインも手掛けていた。

 特にウインドサーフィンは、社会人になった24歳頃から仲の良かった同い年の故・前野やすしとマウイ島などで大会を撮影した。まだフィルムの時代だったが、使用している機材が同じCanonF1だったので、400㎜の望遠レンズを格安で譲り受けた事があった。

 素人のくせに既に白いプロ用Canonレンズの大砲を使い始めたら、かのスティーブ・ウイルキンス氏にフキ―パ海岸で「なんだシンジョー?ハレアカラの中腹から撮るのか?」とからかわれたことがあった。

 つまり超望遠レンズで遠くから、動くものを狙ってシャッターを押す習慣がずいぶん前から在ったと言いたいのだ。どうもそのあたりが、野鳥撮影へ興味を持ってスムーズに入れた理由の一つではないかと自己分析している。

 同時に、子供の頃から在った「理科系・生物系大好き」の脳が少し活発に動いたのだろうか?

 かって世田谷の奥沢中学校では生物部員だった。それもあってか、全校から各クラス1~2名選抜で隔週で玉川中学まで行かされ、世田谷区の公立中学校合同理科授業を受けたものだ。理科が好き、生物が好き、動くものが好き・・。これが野鳥撮影への原点かも。

 こうした幾つかの要素がミックスされて「野鳥撮影」にのめり込んだのではないだろうかと思っている。

 ベースが生物部だから、野鳥の生態に興味を持つのは必然で、翼を使って空を飛ぶ雄姿のカッコよさを写真に収めるのが楽しくてしょうがなかったのだろう、止まっている画像より、飛んでいる所の画像、何かをしている時の画像が多いのが何よりの証拠だろうと思う。

 撮り鉄だって停まっている列車を撮るより、疾走している列車を撮りたがるだろう?

 しかし「動くものに即反応する・・。」ってこれ、恐竜と一緒ではないか?あの映画「ジュラシックパーク」のチラノザウルスではないか。まあ撮影している被写体の野鳥も元々は恐竜だったし、撮る方も撮られる方も元恐竜?


 野鳥写真にはいろいろなスタイルが存在する。ただ綺麗な野鳥の写真集、WEBサイトにも多い珍しい野鳥の写真集。

 多くが、数多くの種を撮影出来た!(=多種自慢)、珍しい種を撮ってる!(珍鳥・希少種自慢)、こんなに近づいてアップで撮れた!(=ノートリ自慢)、コンテストで入賞した!(=コンテスト入賞自慢)・・・色々自慢される方がいらっしゃる。持っている高価なカメラの自慢をされる方はまた別の人種だが、実際撮影されるご本人の狙い・目論見とその自己評価に対し周囲からの他人の評価は相当違うのが普通の事だろうと思う。

 例えば猛禽類の希少種イヌワシを迫力いっぱいに撮影した写真と、そのイヌワシが獲物を組み伏せてランランとした獰猛な眼で撮影者を睨みつけている写真とを一般のコンテストに出品したとしよう。

 果たして、審査員(=野鳥に詳しくなく、猛禽類の名前すら知らない人が殆どだろう)たちはその2枚の写真の何をどのように評価して優劣をつけるのだろう?

 筆者は野鳥の珍しい生態を正しく伝えるための証拠画像・写真撮影が軸に成っている。その意味からしてもヤマセミを追って北海道に移り住んだ稀有な野鳥写真家、「千歳川のヤマセミ」で有名な嶋田忠さんの撮る写真などに少しでも近づければと思っている。

 広い「写真」という世界の中では重箱の隅の隅に近いジャンルの野鳥写真撮影だが、今後は少し隅から広い部分へも目を向けて行こうかとも思っている。が、難しいなぁ・・。

 ・・・と言う訳で、今日の野鳥はオオタカが脱糞した後、獲物を見つけて飛び立つシーン。


見事なオオタカの脱糞、あまり撮影された方はいないのではないか?

直後、何かを見つけて




恐ろしいスピードで降下していった。