10年以上ヤマセミの生態観察を続けていると、色々ヤマセミに関しての情報が入ってくる。道路で弱っている見かけない野鳥を外国から飛んできた鳥だと思って保護したが、一切すり餌などを食べないので森林管理所に相談したらヤマセミの幼鳥だったと。でいつの間にか肩や頭に乗ってくるように成って世界最初の手乗りヤマセミになった・・・など。
今日ご紹介のヤマセミはある山荘に居付いたヤマセミのつがいの話。と言うより、元々ヤマセミの生活エリアだった所に山荘が建ったのだろう。梅雨時の曇りの朝にはアカショウビンの情けない声も聴こえてくる。
道路から外れた私有地の奥なのでその存在は観る事ができない。4WDで行かないとまず行けない上、標高も高いので大雨の直後数日は途絶される。
勿論、魚を主とする自然の生餌しか食さないヤマセミなので、餌付けなどは不可能。山荘から少し離れた滝などがある谷川で採餌をしている様だ。オオルリなども繁殖する完全自然エリア。
週に何日か訪れて建物の空気を入れ替えたり、掃除をしたりする程度の頻度で人が出入りする山荘に、ヤマセミのつがいが居付き、我が物顔で飛び回っているという。生態観察の為一晩滞在させて頂いたところ、早朝鳴き声を上げながらこの山荘の周りをビュンビュン飛び回る姿を記録できた。
窓の外から室内に人影が見えるとすぐに飛び去ってしまう。警戒心は野生のままだ。
山荘のオーナーさんが仕事を終えて山を下ろうとすると、早く出て行けとばかり鳴いて追い立てるとんだ・・と苦笑されていた。空気を入れ替える為網戸も開放すると、ヤマセミたちが部屋の中まで入って来た形跡があるという。羽根や糞の跡が証拠だという。
2020年の豪雨災害でどうなったか判らないが、もうこのヤマセミたちは去ってしまったかもしれない。朝日の出前の暗い状態で、室内で毛布をかぶって隠れて撮影した。