都内の緑地で猛禽類を観察したり、カワセミの撮影に励んだりすることは野鳥撮影の愛好者であればだれでもできる事。
しかし、実は世の中には野鳥を撮影するよりもその姿・生態を観察する楽しみの方に重点を置くバードウオッチャーの方が数的には多いのだ。
人吉市での団体メンバーによる「探鳥会」に数回参加したことがあったが、探鳥会のまとめ集会でどんな種の野鳥を何羽視たか?を集計していた。参加者でカメラを提げて撮影をする人は10人に3人程度だった。
海外のバードウオッチングも同様らしく、何を何羽?という事らしい。10年ほど前観たバードウオッチャーの競争映画でも年間何種類の野鳥を目視したかという事を競うものだった。
筆者の小学校時代の同級生にもベテランが居て、熱心に野鳥の観察をしながら、今までどれだけの種類を視たかを自慢していたのを覚えている。しかし見たという証拠もデータも実は残っていないのだ。あくまで自己申告制の世界なのだ。
そこで筆者は、観た証を画像で残すのが賢明だろうと、野鳥撮影を始めたようなものだ。ただし、その美しい飛翔の瞬間や面白い生態を画像に収録する事を主眼において、近寄ってただ綺麗な写真を撮り(=例えばノートリ)切手収集のように集めたという事を自慢する輩にはなるつもりはなかった。
今回のヤマガラもその生態の画像の一つ、餌を貯蔵・保管する生態を間近で観られたので記録したというものだ。
都内緑地では人懐こいヤマガラがジージーと寄ってきて餌をねだる。「爺・爺」と呼ばれているようで最初はムッとしたが、多分相当以前から人からある一定のグループだけ餌を貰うDNAが親子代々引き継がれているのだろうと思い、その様子を観察するようになった。
月に3~4回は訪れる緑地なので、ヤマガラたちも顔を覚えて居るのだろう、毎回必ず寄ってくる。観光客のようにパンくずではなく、毎回ちゃんと天然の木の実を用意する事にしている。
で、今回はそのヒマワリの種を咥えて傍の木の皮の裏・隙間に押し込んで貯蔵する様を観察できた。寒い時期なので一生懸命の様だった。