2021年11月1日月曜日

今回の衆議院選挙は色々な面で今までと大きく違うような気がする。 I feel that this House of Representatives election is different in many ways.

  筆者は政治にそう詳しい訳でもないし、強烈な支持政党がある訳でもない。ましてや宗教系の政治団体構成員でもない。この野鳥系ブログでも余程の事が無い限り「政治的」な内容を扱う事もなかった。政治の力、政治の役目で「今そこにある危機」を何とかしなきゃいけないだろう・・と言う場合を除いて。

 結果として、今回選挙は岸田総理の「静かなる目論見」が上手くいったような気がする。

 同時に直前に行われた自民党総裁選挙での候補者たちによる討論会が、あらゆるメディアで中継含めて流れたこと自体が衆院選挙の事前活動に成り、「自民党には良い人材が一杯いるじゃん?」というイメージを国民に植え付けたというのが伏線として非常に大きいと思うがどうだろう?

 3Aと言われた安倍、麻生、甘利の「老権力・院政心待ち」に四方を囲まれ、肩を抱かれ「悪いようにしないから、俺たちの言う事を聞け・・。」と第一次岸田内閣の陣容・人事に圧力をかけられたのは、あらゆるメディアがそのスタートを危惧した報道の中で国民が皆承知したとおりだ。

 しかし岸田首相ブレーンの事前の隠密調査その他、データ・情報が相当今回選挙への、戦略・戦術・作戦を構築をしていたと思われる。その成功理由の一番目が組閣から選挙への「過去最短スピードで選挙に臨んだ事」だと思う。

 日頃から地元との結びつきが強く、国民からの信頼感の強い議員が準備期間は短くともまた勝つだろう・・との目論見が当たったのだと思う。

 同時にそれは自民党の古株・老害・長老的議員の排除(=自民党の若返り)を狙う岸田首相の戦略に基づく作戦・しかけでもあったように思う。なおかつその第一番のターゲットが甘利幹事長であった訳だ。3Aの一角、安倍・麻生両名への「義理立て」の足かせ甘利幹事長(=筆者と同じ72歳・団塊世代)の排除が合法的に、しかも国民・地元民からのノー!でなされた事で、党内的に一つも傷や恨みを買う事なく排除できた訳で「頭良いなぁー!」と思わざるを得ない。

 事前にメディアがこぞって、「自民40議席減必至」と報じた中、15議席程度減で乗り切った今回選挙、岸田首相の大勝利だったと思う。この後、細田豪志(無所属)その他が自民へ入る事で更に議員数が増えるに違いない。

 野党共闘・候補者一本化で野党が自民を食って増えるだろうとの予測メディアが多い中、立憲民主党・共産が数を減らし、日本維新の会が4倍・第3党になった。これを予測したメディアは何処にも無い。しかし、終わったから言ってもいいだろう筆者は比例政党で維新と書いた。自分の選挙区に維新の候補がいないにも関わらず。多くの国民が似たような感じを持ったに違いない。

 「1億総中流化」だの、相変わらず壊れたレコードのように歪んだ大声で噛みつくように与党をなじる、本質と違う所で責め立てる枝野、蓮舫、辻元への生理的嫌悪が大阪ローカルながら吉村知事、松井代表の野党連合とも一線を画したスタイルへの共感は少なくないような気がした。

 その自民党の議員の中で、ベテラン・高齢者(‥と言っても筆者より若い)が続々落選し、若手がとってかわったのが非常に頼もしかった。政党を限らず小沢一郎、海江田万里、野田毅、中村喜四郎、平野博文、石原伸晃、甘利明・・・への国民の期待が終わったとみて良いのではないだろうか?



 ある意味、日本国民意外にまともジャン?と思った次第。

 これは、メディアの多様化。超スピード化によるものでもあると思う。選挙・政治情報は過去の新聞・テレビの時代から完全にネット・SNSの時代に移ったと思う。

 選挙の訴えで地球環境だの多様性だの男女同権・ジェンダーだの民衆に向かて口にしても、そんなもの日々ネットで溢れる程報道している事だろう?選挙でアンタがアピールして当選してもそう変わる事ではない!とネットで知ってしまっているからやりにくかったのではないだろうか?

 同時に「選挙で取り上げて約束しても、実際できやしないだろう?」と国民が知ってしまっているのもやり難かろう。今回の選挙でマニュフェストが殆どメディアに出なかった理由がここいらを象徴しているのではないだろうか?

 今日1日はすべてのメディアも、今回選挙の報道一色だろうから、また少し落ち着いて取り上げてみようと思う。