昨日の元気なツミ三羽の幼鳥の動きには普段より多い反応を頂いたようだ。三脚を並べて大砲レンズを乗せて折りたたみイスに座っているだけではこういった生態画像は撮れない。
昨日居た5~6名の野鳥撮影専門のアマチュアカメラマンの方々が全くこのタイプだった。折りたたみイスにどっかりと腰を下ろし、三脚に乗せた中程度の望遠レンズを並べて談笑していたが、ツミ幼鳥の追いかけや親を追いかけて餌をねだる‥と言うような生態には全く興味が無いようだった。‥と言うより気が付いていないのかもしれないが。
聞いたら、大きな岩に貯まった雨水をツミの幼鳥が飲みに降りてくる場面を撮るのだという。それで5~6人も並んで日がな一日待つらしい。驚いてしまった、野鳥のしぐさの「作品」を撮ろうと思って待っているのだろうか。それにしてもみな同じアングルで同じような絵しか撮れまいに。
筆者の経験的に言えば、公園など都市部で三脚に大砲レンズを乗せて野鳥撮影者が飛び回る野鳥の生態の良い瞬間を捉えた事が無い。今回も野鳥撮影には色々な人が居るのだと改めて勉強させられた。
早朝ならいざ知らず、通行人の多い昼近くに、カメラが並ぶ10m近くにツミの幼鳥が水を飲みに来るだろうか?実はその大きな岩は普段は公園のイス代わりの岩なのだが、アマチュアカメラマン達、目障りなので筆者をどかそうと思ってのとっさのウソだったのかもしれない。ちなみに彼らがその後シャッターを押したのを視た記憶が無い。
そんな事があった昼の11時近く。70-300㎜のズームを付けたCanonEOSで幼鳥たち、親鳥の動きを注意深く観察。次に起こるであろう生態アクションを予測し撮影に備えた。
と、キャアキャアキャア♪・・と猛禽の鳴き声!
いきなり巣立ちが終わった巣に親鳥が餌を持って飛び込んだ。間髪を入れず其処へ三羽の幼鳥がワーッと集合。ほんの数秒で4羽の親子は巣を離れ巣の周りを乱舞!
やはり巣立った後でもツミの場合ヒナへの給餌は元の巣が「お約束の場所」なのだ。
母親は5mほど離れた枯れ木のてっぺんに移動。暫く三羽の幼鳥がお互い餌の残りをめぐって木の葉の中を追いかけっこしていたが、そのうち一羽が離れた樹にいる母親目がけて突進!「まだ餌を隠し持っているだろう?」という感じで追い始めた。そうしたらの頃の二羽の幼鳥も一緒になって親を追跡。もう公園の上空、樹の中はパニック状態だ。
これが数分後にはまた三羽の幼鳥が同じ枝に留まって落ち着いた。しかしこの間、20名ほど居たカメラマンの殆んどは撮影もせず、ツミが枝に戻って留まるまで待っているのだ。此れにはこちらの方が驚いてしまった。ある意味ショックだった。飛んでいる所を撮ろうとする人が一人も居ない!今日もまた大きな見聞をさせてもらった。