2019年9月22日日曜日

団塊世代は野鳥も航空機も飛んでいる時こそ美しい!と思うのだ。Baby boomers are think that most beautiful moment of wild birds and aircrafts are flying time!

  世の中にあまた居る野鳥撮影愛好家はレベルはあるにしても、実は「撮り鉄」と言われ、線路に立ち入って列車を止めたり、私有地に入り込み撮影の邪魔だからと植木を切ったり折ったり畑を踏み荒らしたりして世の中のヒンシュクを買いまくっている鉄道写真愛好家たちより多い。

 具体的に言えば鉄道友の会やその他の撮り鉄同好会の登録メンバー数より、日本野鳥の会の登録メンバーの方が遥かに多いのだ。もちろん日本野鳥の会の中で実際カメラで野鳥撮影する人の数や、鉄道友の会会員の中でカメラと時刻表(スマホ)をもって列車を追いかける「撮り鉄」が何%いるかは判らないが、同好の友の人口分母が違う。

 要は観光活性化で高いお金と整備費をかけてSLを走らせて、「撮り鉄」を呼び込むのと、黙っていてもそこで生活しているヤマセミや絶滅危惧種の猛禽類を必ず観察できる・撮影できるとアピールして、野鳥写真撮影愛好家を呼び込むのと、どちらが効果が大きいかと言いたいのだ。おのずからその差は歴然としている。

 しかし実は観光活性化に携わっている人たちはこれらを知らない。全国に沢山いる自称・観光活性化のプロ、と言う人達、旅行業界の人たちも気が付いていない。このあたりが現在の地方における観光活性化の停滞につながっているのだろうと思う。

 いったい何の話のきっかけなのかと言うと、2012年開催の「国際航空宇宙展・なごや」でプロデューサを拝命した際、事務局の公式航空写真カメラマンをお願いした航空写真家の友が、六本木の富士フィルムスクエアで開催中の航空写真展に作品を出展し、上京したので8年ぶりにきちんと再会したのだ。
1977年生まれの彼は筆者の息子と同じ年齢なのだが、まったく年の差など感じない。



 今回の写真展は写真集も販売されており、彼の作品がいくつか収録されているが、他の写真家さんと違い、航空機と空気・気体・気象との融合と言うか、飛んでいなければ判らない珍しい瞬間を見事に表現している点で驚かされたのだ。
写真集表紙

この写真集の表4(裏表紙)に採用された作品。航空機ならでの空気の流れ・・。※写真集より

格納庫に居たり、地上滑走ではこういった素晴らしい一瞬は撮れない。※写真集より

狙うアングルとシャッターチャンスが、他の人たちと全然違う点が非常に今後楽しみだ。※写真集より

 この部分で彼の作品を観るにつけ筆者が昔から持っている野鳥撮影における理念、「野鳥と航空機は飛んでいる時こそ美しい」と、全く同じだと思ったのだ。野鳥写真愛好家の間では「飛びモノ」と言って別分類したがる人もいるが、撮影が難しいため自分では撮れないので別扱いにしたがるようだ。しかし、枝などに留まってキョロキョロしている時より飛んでいる時の方が美しいと思うのは筆者だけだろうか?
正面からオジロワシ。片車輪をまだおろしたままの航空機の離陸に似ている。

吹雪の中のオオワシ。やはり飛んでいるときの姿が美しい!と思う。

実は昨日、昨日から始まったラグビーワルドカップの日本大会開会式が行われた東京調布の東京スタジアム(別名・味の素スタジアム)上空をブルーインパルスが飛ぶというので、スタジアムとブルーを同に画面に収めようと撮影ポイントを探し回り、国分寺ハケ線の崖(多摩川の河岸段丘)の上から撮ってみたのだ。普段野鳥を撮影している筆者とすれば、久しぶりの航空機撮影だった。

 お彼岸に近い曇った夕方17時を回っての逆光撮影なので、色は出ないし非常に撮りにくいシチュエーションだったが、何とか証拠画像は撮れた。
 3次元で目まぐるしく動く野鳥に比べ、2次元に近い形で飛ぶブルーインパルスは撮り易いはずだが、あまりにスタジアムより上の方を飛んだので、周りに数名いた近所の撮影者(ほとんどがスマホだった)は撮れない!とか何が写っているか判らない!と嘆くほどだった。

 要はスタジアム上空をブルーインパルスの6機が低空で飛んでしまうと、4万人を超す観客はほんの一瞬上空を通り過ぎた影のような機影を体感するだけなので、高高度を飛び、少なくとも数秒はその姿と5本のスモークを楽しめるよう計らったのだろうと思う。

 しかし撮影するほうは予想と異なってちょっと現場であわてた。
此のシャッターを切った4時間後、ここで日本がロシアを破って1勝を挙げた!翌日のマスコミでこういったスタジアム全景とブルーインパルスを掲載した所は無かったようだ。


この後、実は五輪の輪を描いたのだが、早くも来年の東京オリンピック開会式当日の練習に入っているような気がした。この先行われる全国の基地祭・航空ショーでも練習するのだろう。