2019年5月11日土曜日

団塊世代はキャッシュレス時代を訝しむ。Baby boomers doubt the cashless era.

 2020東京オリンピックの入場券が売り出され、6時間待ってやっと抽選の権利を得たと大騒ぎしている初日の様子がニュースになった。メディアの報道やネット情報を見るだけで、この騒ぎをヤイのヤイの非難したり論評するのは卑怯だと思い、実際に公式サイトへ登録して、開会式だのテニスだのの観戦チケットに応募してみた。

 登録自体はすぐに出来たが、チケット販売サイトにアクセスできるまでは45分程度で済んだ。で、開会式だのテニス、水泳など炎天下で観戦しなくても良い種目を試しに選択。 ところが最終的な電話確認の段になって行き詰った。表示される電話番号にいくらかけても話し中で繋がらないのだ。やり直す都度違う番号が表示されるがいくらやっても話し中か切断されてしまう。

 最後の最後で幾度やってもお話し中!こんな詐欺のようなシステム、だれが考えたのだろう?幾度もシミュレーションしたとは思うが、実際に数万人が同時にアクセスした場合のシステム不備はチェックできなかったのだろうか?

 もともと2020東京オリンピックなんて、3.11東日本大震災の原発事故・放射能漏れ隠しの国策・誘致イベントなのだ。今でも個人的には開催に反対している。日本の夏で一番暑い時期、炎天下でどれだけのボランティア、観客が倒れるだろう?
 パフィの「アジアの純真」じゃないが、連日連夜・熱帯夜が続く時期、どんなに早朝競技の開始時刻を早めた所で25度以上の環境なのだ。

 東京都民や日本国民の莫大な税金を使い、なおかつ世界のトップ企業の協賛金やメディアから独占放送権料をふんだくり、更には最高30万円という気が遠くなるような開会式のチケット代などを一般観客に払わせ、だれが儲かるのだ?
 IOC、JOCならびに開催地のオリンピック関係者だろう?一体どこがアマチュアスポーツの殿堂なのだ?れっきとしたスポーツ貴族や広告代理店・利権屋が大儲けする狡いビジネスではないか?

 その一環としてのチケット販売システムも肝心な最後の部分で破綻し、こういったITベースのシステムに対してもともと懐疑的な筆者・団塊世代は「やっぱりな」という感じが否めないのだ。

 終わった改元に伴う10連休直前の各方面で起きたシステム・トラブルをご存じだろうか?JALは搭乗受付システムがダウンし大勢の搭乗者と送迎者たちが大迷惑をこうむり、幾つかの銀行でもシステムダウンでATMが使えず現金を下ろせなくなっていた。
https://www.itmedia.co.jp/keywords/systemfailure.html

https://news.biglobe.ne.jp/list/007/603/%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%E9%9A%9C%E5%AE%B3.html

 昨日今日と宮崎県で震度5弱や4、3、の地震が頻発。東京でもし直下型が発生、あるいは3.11のような震災が来て停電に成った場合、世の中がどうなるかご存じだろうか?
 今政府が一生懸命進めPRしているキャッシュレス・システムはすべてダウンするのだ。おサイフケータイとか言って、スマホ決済で日常生活している人々は、その瞬間現金が無い不便さを身に染みて感ずることだろう。


太平洋側の震源地震としては3.11東日本大震災前に酷似しているという話もあるようだ。

 貯金通帳とハンコで注意深く残金をチェックしながら現金を下ろしている時代から、ATMで毎回高い手間賃を取られながらお金を出す便利さに慣らされ、窓口で列を作らなくなった日本人。大きな災害に見舞われたり、扱う人間の操作ミス、設計そのものの不備、想定外の事態勃発で運用が不可能になる昨今のシステム。この先システム障害・トラブルはどんどん頻繁に起こるようになるだろう。
https://www.google.co.jp/search?sa=X&rlz=1C2CHZL_jaJP683JP688&q=%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%9B&tbm=isch&source=univ&ved=2ahUKEwipltGv95HiAhXmx4sBHYwiDc4QsAR6BAgJEAE&biw=2048&bih=1019#imgrc=_

 「こうであるはず」のシステムが止まった時、我々一般人はなすすべが無い。いわれるがまま「普及するまでお待ちください、ご不便をお掛けして申し訳ありません」だけで我慢しなければならないのだ。

 団塊世代はバカではない。万が一いう事が有る事を知っている。だからネット預金だのネット決済は手の届く範疇、一切合切お金がゼロになって戻ってこなくても「仕方がない、ネット経由の決済はやっぱりそういうもんなんだ」程度で諦められる金額しか利用しない。
 いつだったか、デイトレーダーというパソコン相手に数分の株の上下の利ザヤだけで金儲けをしている若者が、銀行だか証券会社のシステム打ち込みミスを突いて、ほんの数秒の間に数百億だか利益を上げたニュースを見た事が有る。あれって逆も有り得る訳で、ネット経由のお金の出し入れ程ヤバい世界は無いという事だ。へぼ将棋の「あっ、それちょっと待った!」は有り得ないのだ。

 ネットによる情報データを見ると、最近のシステム障害・ダウンによる事件・トラブルは日に日に増え、大きくなってきているという。会員登録による個人情報漏れはもはや当たり前、情報漏洩させた企業は「申し訳在りません」の一言だけ、それで済むように会員登録時の約款に書いてあるという、そういう企業側に対しての罰則など訊いたことが無い。たとえ罰金が派生しても国庫に入り、迷惑をこうむった会員へは何の「詫びも実質的な保証」もない。

 いつの間にか、世の中がIT化され「便利を享受したのだから、それなりのリスクを負え」的な、強引で狡いシステム構築企業側に世の中の常識が変えられてしまっている危機に気が付くべき状況に在るのだ。

 ここから先は個人個人で対処し、いわれなき損害を被らなくても良い自己防衛をしなければならないのだろう。キャッシュレス時代の落とし穴にはまらない様気を付けようと思う。