小原に遅れる事7年、明治17年生まれの原安三郎(明治生まれの大実業家)が葛飾北斎や歌川広重(安藤広重)の浮世絵コレクションと同時にコレクションした小原古邨の作品を本邦初公開という展覧会がこの茅ヶ崎美術館の「小原古邨展」だ。
動植物に関しては、何と言っても伊藤若冲が人気だが、今後はこの小原古邨も若冲に肩を並べるほどの人気が出る様な気がする。
理由はその描く瞬間が若冲の様な動きのレベルではなく、現在の野鳥撮影愛好者たちが好む採餌の瞬間や争いの瞬間、あるいは飛翔中の美しさを表現している所にある。
例えば、奄美でアカショウビンやツマベニチョウを描いた田中一村などは一旦絵のモチーフを写真撮影し、それを元に絵筆を取るのだ。しかしこの小原古邨はカワセミが水中の小魚を捕らえている作品などは明治の世に一体どうやって制作したのか?是非訊いてみたい。
多分相当野鳥の動きなどを観察しているのだろう。若冲と共に凄い作家が日本にいたものだ。
今回の茅ヶ崎美術館での展覧会は今日終わってしまうが、来年2月~3月に東京・原宿の太田美術館(浮世絵で有名)で今回展示の6割ほどの作品(約150点)が展示される様なので是非お勧めだ。
カワセミ 図録より
もう感動しかない、採餌の瞬間のカワセミ。 図録より
アオゲラ、アカゲラなどは自分でもよく撮影するので嬉しかった。
ヒレンジャク 図録より
タゲリなども描いている。 図録より
クチバシが交差するイスカなども特徴を良く捉えている。 図録より
昨日は終了二日前で混雑していたが最終日の今日はもっとだろう。お近くの方には是非とお勧めしたい。1~2時間並んでもきっと充分満足できる展覧会だ。