筆者の座右の銘の一つ「ヤマセミの振り視て我が振り直せ!」では無いが、最近の子供教育のいい加減さ、甘さ、緩さが気になって仕方がない。その厳しいヤマセミの我が子教育は、毎年観察していて幾度も目からうろこ状態に成るのだ。
今日の画像はその中でも巣立ち後、ヤマセミの幼鳥・若鳥が高速で飛行する訓練をレポートしてみたい。
ヤマセミの幼鳥は、まず採餌訓練(=水中にダイブし木の葉や木の枝を餌に見立てて採餌練習を行う)、天敵からの避難訓練(腹ばいで水面すれすれを飛翔後、ダイブした瞬間反転して180度逆方向へ飛び去る訓練)等を行うが、第3段階として親鳥と同じスピードで広い球磨川流域を飛び交う練習を行う。
山奥の峡谷で生息する、あるいは北海道の千歳川のような周りを森林に囲まれた川幅の狭い環境下でどうやって高速飛行訓練を行うのか判らないが、球磨川においては視ていて驚くほど速い飛翔速度で親子の2羽が飛び回る。長い時は10分以上に亘り飛びまくる。
そのスピードと変幻自在の方向転換は、お前本当にヤマセミなの?状態だ。
幾度もお断りしているが、このブログの画像はあくまでヤマセミの生態観察のデータ画像なので、ピンは甘いし、トリミングだらかである事はご容赦願いたい。
最初にこの訓練に気が付いたのが此のカット。メスが二羽でチェイスしている理由は何だろう?と思ったのが始まり。
縄張り争いを見慣れている筆者は、最初は親子のじゃれ合いか、一方が鳴きながら追いかけているように見えたので単なる喧嘩だと思った。
しかし、時折後ろについた(実は親だった)一羽が時々妙な動きをしつつ追っているのを見て「教育か!」と思ったのだった。
しかもいつものヤマセミのスピードとは格段に違う速さだった。
広い球磨川の両岸、時には陸上の民家の軒先をかすめて住宅街を飛びぬける見境の無さだった。
もう完全に二羽とも興奮状態のように見えた。冠羽が立っている方が幼鳥。後ろが親鳥。
撮影者の方にも躊躇せず突っ込んでくる高速飛行訓練。
1ペアだけだと思ったら2ペアが展開していて、順番待ちの一羽が川中の岩で待っているという、年の数日、繁殖期後半でしか観られないシーンだった。