しかし、16日間毎朝4時半起きで連日7時間は車の中から観察を続けたので、もう体力的にも気力的にも限界に来ていた。いわゆる一種のエコノミー症候群だったのかもしれない。実は数日前からストレス性と思われる軽い下痢を起こしていた。
昔から消化器系はめっぽう強く、1977年あるイベントで出された昼食弁当で集団食中毒が発生、救急車が10台以上来た事があったが、その弁当を二個食べた筆者は何ともなかった。其の筆者が10年振りくらいの下痢を発症したのだから、今回の張り込み観察は相当なストレスだったのだろう。
特に今回の営巣ヤマセミつがいはおそらく初めての繁殖だったような気がする。何故そう思うかは今後逐一レポートしようと思うが、結論から言って今朝の親鳥の動きがおかしいので、初めて巣穴の下へ行ってみたら、巣立った直後化途中と思われる幼鳥?ヒナ二羽の残骸を発見してしまったのだ。4年前落下してカラスとテンなどにやられた一羽の残骸と全く同じだったが、今回は時間が経ってからの発見だからか羽根しか残っていなかった。
昨日の親鳥のパニくった動きの最中、一羽はどうやら巣立ったように思われるが、其れが最後の一羽だったのか唯一の一羽だったのか東京に戻ってすべての動画・静止画を精査して判断したい。残念だがこれが自然の無慈悲な現実なのだ。これに関しては決して落ち込まない。16日間も観察した結果がたとえもし全滅であっても、その16日間の給餌の様子や外敵からのヒナを守る親の行動などが事細かに動画と静止画で記録されており、小さいながら自分で録ったメモ記録が残っている。これらは日本の何処を探しても無いと思う。
4年前の3羽巣立つまでの記録と合わせて、6か月~1年後にはヤマセミの生態記録を発表する所存だ。全ての掲載画像(動画を含む)のオリジナルデータを付けて、関係各所へ進呈しようと考えている。
2日前まで顔をのぞかせていたヒナ。しかし4年前と決定的に違うのが、巣穴の正面位置的に親鳥の姿が見えない事だった。その事が今回の繁殖失敗の最大の原因かもしれない。
まだ精査していないが、メスの親は後ろ向きに巣穴から出てくると必ず左周りでターンて戻った。この画像はこの前の部分が無い。シャッターを押したのは此処からだった。理由は前向きに出て来たので急に穴から出ることに成り、予測できなかったのだ。しかも脇腹に幼鳥にしかありえない褐色部分がある。もしこれが巣立った雛鳥であれば、今回唯一の巣立ちとなる。
普通は、頭から出てくる場合このようにすぐにまっすぐ速いスピードで出てきてしまう。なぜなら巣穴の出入り口が下向きのスロープになってしまっているから。一番上のヒナが外を見ている画像を視れば一目瞭然。4年前の巣立ちではヒナは頭を巣穴の外に随分長い間出していた。今回失敗の原因のもう一つがこの出入り口のスロープにあるとみている。
4年前は頭その他も残っていたが、今回は羽根の一部しか残っていなかった。
巣穴の下のスロープに2か所残骸が残っていた。
残念だが二羽、巣立ちに失敗したとみて良い。
巣穴の出入口がこのようにした向きになってしまっている。
残念記念と資料データに羽根と羽毛を持ってきた。
16日間活躍したカメラ群、双眼鏡。
一応けじめがついて、結論が出たので、昼前からツクシイバラ自生園へ行ってツクシイバラとセッカ、ツクシイバラとホオジロの写真を撮影した。明日にでもアップしたい。この後は八代でブラインドの中から間近にヤマセミを観察撮影する誘いを受けていたので、ご一緒させて頂こうと思う。
北九州の小倉で闘病中の友を25日に見舞い、その後は日本海側を北上するか昨年の逆コースで中国自動車道で北上するか、北海道まで行くか風まかせで行こうと思う。
ストレス性の下痢は、けじめがついた途端治ってしまった。薬も飲まずに・・・。