なおかつ遠浅の不知火海が在った為、江戸時代慶長年間から干拓が盛んで各河川河口近くには江戸時代・明治時代の樋門が残っている。
八代市の金剛干拓は1953年・昭和28年に完成した比較的新しい干拓地で鼠蔵エリアから前川(球磨川分流)河口エリアまでクロツラヘラサギが採餌する干潟で囲まれている野鳥の宝庫だ。
この金剛干拓ではまだ10回ほどしかバードウォッチングに赴いていないものの、トビやミサゴを中心にチョウゲンボウ、コチョウゲンボウ、ハイイロチュウヒ、ツミ(いずれも撮影出来たもののみ)などの猛禽類が生息している。
今回はチョウゲンボウを随分長い事観察できたので、数回にわたりチョウゲンボウの生態をレポートしよう。
干拓地のど真ん中で水が張られた休耕田にタゲリが20羽ほど居たのでそれを観察撮影していた所、何かに驚いて一斉飛び立った。それを写している時に遠くの杭に猛禽類が留まっているのが見えた。
その猛禽類が筆者の車の方へ飛んで来て色々な展開が始まったのだ。この日は朝から結構な雪が降り、北風がものすごく強い日だった。
杭から獲物を見定めているようだ。
物凄い北風でフラフラしているチョウゲンボウ
風上のこちらに向かって低く飛んで来た。強い風に流されながら斜めになって飛んで来た。強風時の空港の旅客機の離着陸の様だった。
主翼が幾らねじれても頭・顔は垂線から決して軸を外さない。
向こう側に居るのはタゲリ、タゲリはチョウゲンボウを警戒しないようだ。
普段作業されている農作業の方とは少し違うな…とでも思っているのだろう。しげしげと見つめられてしまった。しかしこう言う時は何もせずジーッとする事にしている。それが功を奏したのだろうか?警戒感を持たれなかった証拠がこの後展開するのだ。