しかし天候・時間・潮汐の変化でその集まっている所は常に変化しており、その観察・調査・統計をされている高野茂樹博士には本当に頭が下がる。どんなに北風が強かろうが高性能の単眼望遠鏡で沖の干潟のクロツラを調べておられる。ぜひ応援をしたい。
今日は、そのクロツラヘラサギが河口近くの川の浅瀬で小魚の群れを追い立て、囲い込んでの漁をしている場面に遭遇。普段水深70cm程度の浅瀬で横に3羽ほど並び、振り子のように左右に首を振り振り前に進み割に規則正しく行う採餌行動を見慣れていただけに驚いてしまった。
体が大きい分警戒心や反射神経が緩慢なイメージが強かったクロツラヘラサギがこんなにも敏捷に小魚の群れを追い立てるのかと認識を新たにした次第。
ヘラの様なクチバシにセンサーがあり水中・泥中で獲物を感知するとの事。コウノトリと一緒だ。
こういう左右への首の回しで採餌するのが普通のスタイルだと思う。
観察現場は非常に浅い河川の河口から200m程の所。
最初に気が付いたのは6羽のクロツラが一斉に同じ方向へ駆け足で進み始めたからだ。普段とは違う集団行動にちょっと驚かされた。
よく見ると進む方向にさざ波のように小魚と思われる群れのザワメキが見えた。いわゆる沖合の「トリヤマ=ナブラ」と言われるイワシの群れの様なものだろう。
明らかに白くさざ波の立っている部分を追いかけているのが見えた。
魚の群れが上方へ移動するにつれ広がったクロツラヘラサギも広がって移動した。
追いかけながらも採餌するクロツラ、もう無我夢中という感じで素早かった。
最終的には輪が縮まって真ん中に集合したクロツラヘラサギ。初めて視るクロツラヘラサギの共同採餌行動?に驚かされた次第。
4日後金剛干拓地でお逢いした高野茂樹博士にこの事をお話ししたら「集団追い込み漁ですかね?」とおっしゃっていた。既にご存知の様だった。考えてみれば当たり前だ。