ヤマセミが人吉市の鳥に制定され、JR九州の観光特急「かわせみやませみ」の人気も盛り上がる中、ヤマセミを一目視てみたいという方も増えたと聞く。しかし昼日中「何処だ何処だ?」と球磨川を覗いてもまず出遭えない。
遭遇確率が高いのは、圧倒的に日の出からの1時間だ。従って東京より日の出が40分遅い今の人吉市であれば朝7時頃から約2時間ほど球磨川土手を徘徊すると出遭える可能性が高い。しかし残念なことにちょうど宿の宿泊客は朝食の時間帯に当たってしまう。従ってホテルや宿の宿泊客は朝食をパスしなければならないかもしれない。人吉観光連盟や市の観光担当者はこう言った早朝のバードウォッチング客への配慮がなされると素晴らしいのだが・・・。筆者は毎朝ご飯はコンビニのおにぎりと決まっているし、ヤマセミに遭遇できる事が常なので、いつも実際に車の中で食せるのは9時過ぎに成ってしまう。
11月16日も朝から気温が下がったが、なぜか市内中央部だけは霧が薄く、陽が上ると消えていく川霧だけで済んだ。この時期としてはラッキーな朝だった。
深い朝霧の中で上る人吉の朝陽。
球磨川に登る川霧を朝陽がほんの一瞬赤く染める。
人吉中心部の川霧は日の出と共に薄まっていく。
球磨川の細い側流は本流と違い流れも緩やかで、市内を流れるいくつかの細い水路から、温泉水を含み暖かい綺麗な水が幾つかの樋管から流れ込んでいる。左下隅はいつもの時間通りに、ズームレンズ装着のカメラを提げてウォーキング中の辻正彦医師。
早朝鮎の刺し網を上げて収穫する川魚漁師。
対岸では筆者の「魚と球磨川環境」の先生・島津富男さんが網を整理している。いつもの通り懐いたアオサギ「チビ」が寄り添って雑魚を待っている。
朝陽が球磨川の水面に届くころ、画面右下の辻先生が川下から戻ってこなかった。これはヤマセミに遭遇して撮影されているに違いないと判断、堤防下のプロムナードへ降りる事にした。
右岸プロムナードを川下へ向かって数歩歩きだしたところ、ヤマセミ2羽の鳴き声が聴こえてきた。用心しながらズームを最大にしてファインダーで確認すると80m程のタチヤナギの樹に2羽のヤマセミを発見。背景は球磨川を見下ろす郷土料理レストラン「ひまわり亭」
60mまで近寄って見る。
樹の上部にメスのヤマセミ。
樹の下部、ススキの向こうにオスが居る。此処まで陽が上ってまだ10分。