決して、得意になって掲載したのではなく、如何にヤマセミとカワセミの大きさが違うかの具体的比較・証拠画像として掲載したものだった。手持ちだし、逆光の崖の影側の画像だし、決して綺麗な画像でもないが、ヤマセミとカワセミの大きさの比較や生態が判るカットとして重宝している。
しかし、この度早稲田大学での学会発表用に、過去の画像を精査していてとんでもない場面の画像を発見してしまった。毎回撮影画像の殆どはシャッターを押した記憶がまだ新しいその日の夜、人吉の宿舎で数時間掛けて一応画像をチェック。速報ブログの為トリミングだけして画像処理はせずアップしている。
その撮影行の全行程が終わって人吉から東京へ戻ると、じっくりと大画面液晶で各カットを精査している・・・つもりだったのだが、実は重要な生態を見落としている事が多々在った。
筆者の多少ボケて来た脳では「確実な記憶」というものが、いささか怪しくなってきているようだ。しかし、今日の様に宝くじにでも当たったような嬉しい「忘れ物」に出遭う事もあるのだ。
今日の画像は、球磨川の広い川幅の対岸からの撮影なので、勿論綺麗ではないし、ピンも甘い画像なのだが、ヤマセミとカワセミは仲が良いという決定的証拠画像データとして記録に残すべきものだと確信している。この2種類の野鳥間に何のコミュニケーションも仲間意識も無いとしたらウソだろう。
画像を観ながら説明して行こうと思う。
まず、球磨川本流へ流れ込む小さな支流の合流地点に在る樋管(ひかん)と呼ばれる水門附近にヤマセミがランディングした。この樋管は球磨川へ流れ出る小川が本流に流れ込むゲートに成っているのだが、大雨や台風で本流が大増水の際に堤防の街側に濁流が逆流しない様に水門を下ろす構造に成っている。
数回、採餌や水浴びをした所にカワセミがランディングした。
その距離は見ての通り1mも離れていない。
やあ元気?と言ったかどうかは知らないが、顔なじみである事はこの状態が数分間続いた事でも良く判る。
採餌した魚の鱗がくちばしに付いていたのだろう。ヤマセミがコンクリートの堤防道路でくちばしを拭ってもカワセミは見守っている。
そうしたまたしばらく会話でもしたのだろうか?
いきなり2羽同時に飛び立った!
先にカワセミが、後ろからヤマセミが、全く同じ方向へ飛び立った。
この画像を見て、どう考えてもこの2羽にコミュニケーションが無いとは言い切れない。まさか飲み屋に一緒に連れ立って行ったとまでは言わぬが、同族ならではの行動だろうと推察する。ひょっとすると、撮影が2014年なので、前年の並んで飛んだ例の画像の個体同士だったのかもしれない。