野川は整備された首都圏の自然一杯の小川である事を昨日まで2日間でご紹介した。
地方の川などとは異なり、首都圏で迷彩のブラインドに入って撮影などしようものなら、何人に警察へ通報されてしまうか判らない。もう首都圏でブラインドは不審者扱い間違いない。ここ数年迷彩柄は確かに流行っているが、やはり高齢者の方々には抵抗が在るらしい。迷彩服⇒軍人もしくはその筋の乱暴者?
野川の様な都会の小川を散策する大勢の人たちの中で一人だけ迷彩服を着て「野鳥に警戒心を与えない為」といくら言っても、残念ながら説得力は無い。周りは黄色にピンクに真っ赤だもの。ヘタすりゃ散歩で連れている子犬まで真っ赤な服を着ていたりする。
もうこうなったら、なるべく目立たない色の普通のいで立ちで、物陰からなるべく動かない様にしてレンズを向けるしかない。その為にもこのシリーズの最初に述べた様に「観察」「カワセミの癖読み取り」が非常に重要になって来る。
ただ留まっている姿を撮るのであれば、デジスコでも、三脚使用で超望遠で狙えば目的は間違いなく達せられよう。しかし、飛翔時の美しさや生態上面白い仕草、採餌の模様、繁殖期独特の動きを画像に収録したければ、軽くてなおかつ適度の望遠ズームで狙う事をお薦めする。ケースバイケースにより圧倒的にズームレンズ・タイプが幅広く対応できよう。
人工的に造った止り木に来るカワセミを椅子に座って老人クラブの様に撮るだけで良いのであれば、このシリーズは意味がない。
勿論コンテストに応募するような方、色が美しい、ピントぴしゃりの画像でなければ写真とは言わない・・・と言う方にもこの場合の説明は当てはまらない。
撮影する被写体の一瞬しかないチャンスを逃さない事に集中する方でないと、このシリーズはお役に立たないだろう。高いカメラ、高いレンズだから良い写真が撮れるに違いないと思う方も多いだろう。
しかし、お持ちのカメラの機能を完全に熟知し、使いこなしておられる方は実は全体のホンの8%くらいしかいないというデータを見る時、カメラなど道具の問題より撮影者の観察力・熟練度の方がはるかに重要である事を是非知って置いて頂きたいと思う次第だ。
カワセミが狙いを定めてのぞき込んだり、モジモジしたらダイブ直前と視て良い。
ポーンと一旦上へあがる動きをするのが高低差の無い場合のダイブ。
こういう場合のAFはピンポイントでカワセミの体にピンを合わせておく事が大事。
マルチ多ポイントで狙うと、其処からカワセミがズレた瞬間背景の葦にピントが行ってしまう。最高機種で個人設定調整をした場合はこの限りではない。
カワセミのスピードについて行けないとこういう情けない画像になるが、これも回数を重ねる事で熟練していく。それがまた嬉しいのだ。
カワセミはダイブしたら、必ず戻る!それを忘れない様に。
戻る途中に良いシーンが待っているかもしれないのだ。
葦のすだれの様な背景でもピンポイント照準で行けばきちんと撮れる。