2017年2月19日日曜日

春を告げるヤマセミ交尾失敗物語。This is copulation failure scene of Crested kingfisher' in a early spring.

 1月下旬から2月上旬にかけて、球磨川本流で幾度か見かけたヤマセミの繁殖行動の中から今日は失敗例をアップしてみた。
 球磨川流域特に人吉市周辺のヤマセミは、全国他のエリアのヤマセミとそう大した生態の違いはないと思うが、その繁殖行動を目の前で観察できる意味で言えば全国でも珍しい場所だろう。

 本来交尾と言うのは尾が交差する状態を指して言う言葉で、実際野鳥の交尾の殆どはこのオス・メスの尾が交差する。アカゲラにおいても、ハクセキレイにおいてもしかり。撮影した画像を視れば一目瞭然だ。

 そんな中、ある朝いつもの場所でヤマセミが2羽揃ったので、久しぶりにつがいの様子を撮影しようと構えて瞬間!オスがふわりとメスに覆いかぶさろうとした。明らかに交尾アクションだ。今まで一番早かった時でも2月末の撮影記録しかないが、2月3日の撮影と言うのは如何にも早く、温暖化の影響かと思わず撮影終了後空を見上げてしまった。
いつものお気に入りの場所に居るオスの傍にメスが飛んで来た!

着地してまだ羽根もたたんでいないメスは盛んに鳴いている。

それを観たオスが飛んだ!

背後に回り、完全に交尾の態勢に入った。

まさに上に乗ろうとした瞬間メスは羽根を開いた!

受け入れると思ったメスだが、この時すでにその場から離れ始めた。

オスは何とか交尾の態勢を維持しようとしているが・・・。

メスは既にH鋼の下部へ降りてしまっている。失敗だ!

オスは鳴きながら「お前の方が来たんじゃないか!」と言ったか言わなかったか、遠くて良く聴こえなかった。

飛び去るオスを横目で見送るメス「まだ早いんだよ!アンタ」

・・・と言ったか言わぬか、人間と大差ないヤマセミ夫婦だった。しかし、実はこの20分後、対岸に近い岩の上で交尾行動を行っているが短く、完全とは思えなかった。しかし直後メスが水浴びをしたので何もなかったという訳では無い事は確かだ。