連日、早朝に行われるワールドカップ・サッカー中継、私も出来る限り生で観るようにした。おかげでここ2週間は早朝の鳥視は御無沙汰している。いつもの鳥視タイムは爆睡中の事が多い。先週1次リーグ・トーナメント全試合を終えて、残念ながらザックジャパンは1分け2敗で敗退し、現地解散、ヨーロッパのクラブチームで活躍する選手以外は成田に帰国したのは御存じの通り。
此処で一区切りついたので、これまでの日本のザックジャパンの闘い方がどうだったとか、なぜ日本が1次リーグで敗退したか等と言うサッカーそのものについてではなく、メディアが報ずるワールドカップ・サッカーの報道姿勢と、その内容に関して自分なりの考えをまとめてみた。 大学時代、体育会系のサッカー部(国公立大学・関東甲信越大会優勝)で4年間フォワードをやり、30年間広告代理店であらゆるメディアと接してきた経験値をベースに、今回のワールドカップの新聞やテレビでの報道、さらにはインターネット経由の報道・コメントなどを分析・精査してみた。
結論から言うと、新聞・テレビの報道、WEB経由の解説・報道・意見は事前と事後で相当な開きが有るように思う。これは以前ソチオリンピックの時にも強く感じた事。しかし大会開始前と1次リーグ終了後の報道姿勢と内容があまりに酷く違う事と、同じコメンテーター、同じ新聞、テレビ番組、同じ解説者の云う事があまりに無責任なので今回はオリンピック以上に腹立たしく感じた。だからこそ、今これを掲載させて頂いている。
まず、大会開催前日本のメディアは何と言って事前の盛り上げを行っていたか?「史上最高の監督ザッケローニ率いる史上最強の日本代表チーム!」と言って叫んでいなかっただろうか?証拠は幾らでも在る。特にテレビにおいてのワイドショー、あるいはワールドカップ特別番組でも元サッカー日本代表や監督経験者、Jリーグ解説者、はたまたスポーツコメンテーターに始まり、只サッカーが好きなお笑いタレントに至るまで、まるで日本代表チーム・ザックジャパンが間違いなく1次リーグを突破し、優勝へ!悪くても今回は2次トーナメントで1勝はしてベスト8、あわよくばベスト4には行けるはず!と言っていなかっただろうか?
新聞の紙面を観ても、スポーツ新聞はもう当たり前のように本田圭佑の「優勝目指します!」をさも既成事実のように取り上げ、独特の自己演出で目立ちたがり屋の選手の単なる心意気を何か根拠が有る、あるいは裏取りが出来ているかのように報道した。これはこれをお読みの方々も異論はないと思う。テレビのモニター(国内の番組はニホンモニター(株)によりすべて記録保存されている。有料で購入可能)、録画、保存された新聞記事、ネットに残る各サイトの過去ログを観れば一目瞭然。
クリックして大きくしてみて頂きたい。1次リーグの最終結果とFIFAランク。
この表はネット上に出ているワールドカップのサイトからデータを取り、自分で作成したもの。特にワールドカップサイトには出ていない、出場32か国のFIFAランキングを国旗の右に記載した。これを良く見て頂きたい。
FIFAとは世界中のサッカーの中心だ、ましてや今回のワールドカップの開催者だ。その世界中のサッカーを束ねている、朝から晩までサッカーの事を考えている人間(いわばサッカーのプロ)たちが公平に最近の試合データをコンピュータに掛けて分析して熟考の末発表したのがFIFAランキングだ。これ以上今の世界各国のサッカーの実力レベルを正当・公平に評価しているモノは存在しない。
私は事前のメディアの盛り上がり方、テレビの報道の過熱が事後どうなるかを注視した。したがって初戦コートジボアールに逆転負けをした試合、前半45分間ピッチのライブを観て日本チームの選手が1点勝っているにもかかわらず、ほぼ全員が何故うなだれて戻って来たのか、直感で判った。理由は自分がサッカー現役時代にとてつもなく強い相手と当たって、ピッチの上でその実力差を感じてしまった時の状態に非常に似ていたからだった。
たとえば、ゴルフに行く。仲間内なら大体お互いの実力は判っているので、そうそうプレッシャーは感じないだろう。しかし大きなコンペで知らない人と組まされた時、あるいは一人でゴルフ場に行って、全く知らない人同士3人で組まされた時の1ホール目、2ホール目を想い出してほしい。ゴルフをおやりの方々ならよく判ろう、持っている道具とかウエア―でも少しは予感を感ずるものの、ティーショットに入った時の仕草や第1打の様子で、ほぼその人のレベルと経験が一発で判るという。この時セミプロ級、もしくはシングル・ハンディというベテランに出遭ってしまった感じ?また別の例えで言うならば、将棋で開始後相手の二手三手だけでその実力を感じ、飛車角落ちでも勝てそうにない、とてつもなく強い相手と判った時のショック。これを日本代表たちの顔に観てしまったのだ。
社会に出て青山のヴァン・ヂャケット(=VAN)の宣伝部に入り、アイスホッケーを4年間やったのだが、最終的にはチーム・ヴァンガーズは東京都実業団1部リーグまで上って行った。しかしどうやってもその1部リーグでは優勝できなかった。何故なら当時日本リーグで最強と言われた、国土計画(当時)の2軍チーム・国土レッドアローズと云うのがその1部リーグに居たのだ。
この国土レッドアローズは、王子製紙、西武鉄道、古河電工といった日本代表選手が参加する日本リーグの試合につい先週まで出ていて、たまたま今は調子が悪い・・というだけの選手が降りてきて参加しているチームなのだ。そこそこ経験者を入れて入るものの、ファッションメーカーのクラブチームが敵う訳が無かった。この国土レッドアローズに対峙した時のショック!今回のコートジボアール戦はまさにそれと同じ状況だったのだろう。
つまり何が違うか?FIFAランクで23位、日本はダブルスコアの46位、日本のマスコミはこの事実をあまり取り上げないが、そもそも本来格が全然違うのだ。10位台どうし、20位台どうしの闘いであれば実力差は余り無いので、FIFAランク下位のチームが上位に勝つ事は頻繁にあるだろう、しかし20位台と40位台では、全然レベルが違うのだ。
特にアフリカ系の国の選手の走りだしの初速、転がるボールの動きを予知する勘、味方の選手の動きを一瞬にして察知する群れで動く仲間への動体視力と、第6感によるテレパシーコミュニケーション。これはアフリカの原野で狩りをする祖先のDNA、猛獣の襲撃を予知し逃げる知恵のDNAが培ったモノだと思う。断っておくが決してこれは人種差別でも偏見でもない。むしろ羨ましいと思っている。
ある意味これらを裏付ける事実もある。ヨーロッパの国々=イングランド、オランダ、イタリア、スイス、フランス、ベルギーなどには必ずこれらアフリカ系の選手が数人入っている。フランスやベルギーなど4~5人も入っている。皆昔の植民地時代の移住者・帰化者の子孫かも知れない。要は今の世界レベルのサッカー自体がアフリカ系の敏捷さ身体能力を必須とする時代になって来ていると思って間違いない。良い悪いは別にして、私が尊敬してやまないハンマー投げの室伏重信選手(父親)が、ヨーロッパ人の奥さんを迎え、生まれた今の室伏広治選手がオリンピックのハンマー投げ金メダルを獲得したのに近い事が、そのうち日本のサッカー界にも生まれるのではないだろうかと思っている。そういう意味ではブラジル日本のハーフ・闘莉王選手などは非常に好きなアスリートだ。
正直に言うと、これは元々国民の半分以上がハーフ・クオーターなどの混血のアメリカ合衆国、スポーツチャンネルESPNのレポートの受け売りだ。今から50年前、東京オリンピックで圧倒的に強かったアメリカ合衆国。何故そうだったのか?今回のワールドカップサッカーを観て腑に落ちた。スポーツの世界では人種的に優れた素質を掛け合わせた者の時代に突入しているのだ。ただアメリカ合衆国が自然にそういう環境に在っただけなのだろうと思う。
つまりザックジャパンの代表選手たちは、この人間と云う動物の基本的な身体能力の差をピッチの上で生で感じてしまったのではないかと想像するのだ。こればかりは如何に4Kテレビが優れていてもTV画面を通しても判らないだろう。
特にアフリカ系の国の選手の走りだしの初速、転がるボールの動きを予知する勘、味方の選手の動きを一瞬にして察知する群れで動く仲間への動体視力と、第6感によるテレパシーコミュニケーション。これはアフリカの原野で狩りをする祖先のDNA、猛獣の襲撃を予知し逃げる知恵のDNAが培ったモノだと思う。断っておくが決してこれは人種差別でも偏見でもない。むしろ羨ましいと思っている。
ある意味これらを裏付ける事実もある。ヨーロッパの国々=イングランド、オランダ、イタリア、スイス、フランス、ベルギーなどには必ずこれらアフリカ系の選手が数人入っている。フランスやベルギーなど4~5人も入っている。皆昔の植民地時代の移住者・帰化者の子孫かも知れない。要は今の世界レベルのサッカー自体がアフリカ系の敏捷さ身体能力を必須とする時代になって来ていると思って間違いない。良い悪いは別にして、私が尊敬してやまないハンマー投げの室伏重信選手(父親)が、ヨーロッパ人の奥さんを迎え、生まれた今の室伏広治選手がオリンピックのハンマー投げ金メダルを獲得したのに近い事が、そのうち日本のサッカー界にも生まれるのではないだろうかと思っている。そういう意味ではブラジル日本のハーフ・闘莉王選手などは非常に好きなアスリートだ。
正直に言うと、これは元々国民の半分以上がハーフ・クオーターなどの混血のアメリカ合衆国、スポーツチャンネルESPNのレポートの受け売りだ。今から50年前、東京オリンピックで圧倒的に強かったアメリカ合衆国。何故そうだったのか?今回のワールドカップサッカーを観て腑に落ちた。スポーツの世界では人種的に優れた素質を掛け合わせた者の時代に突入しているのだ。ただアメリカ合衆国が自然にそういう環境に在っただけなのだろうと思う。
つまりザックジャパンの代表選手たちは、この人間と云う動物の基本的な身体能力の差をピッチの上で生で感じてしまったのではないかと想像するのだ。こればかりは如何に4Kテレビが優れていてもTV画面を通しても判らないだろう。
1次リーグの初戦、コートジボアールに惜敗した後、WEB上で各コメンテーターがそれまでの勝てるはずだの報道から一転、負けた犯人捜しを始め、監督や選手を叩く中、唯一私とほぼ同じ意見をブログで、元陸上アスリートの為末大氏が意見を発表した。「FIFAランキングがどの程度正確なのかは分からないが、ランキングのままで考えると日本は1次リーグで最も低く、予選で1勝もできないことになる。」と書いていた。しかしこういったプロのスポーツジャーナリストでさえ事実を調べもせずコメントを軽々しく書いてしまうのだ。日本は出場32か国中で決して一番低い訳ではなく、下から4番目なのだ。まだ下にオーストラリア、韓国、カメルーンが居る。
しかも、この元陸上選手のコメントに在る「FIFAランキングがどの程度正確なのかは分からないが・・・」は余りに失礼だと思う。テニスの世界ランキングでのかっての伊達公子、今の錦織
圭などは正当なランキング評価をされていると思うが如何だろう?FIFAもそれに等しいか競技人口を観ればそれ以上だろう。
話が見えなくなってきたので、本題に戻すと
要は、日本は余程の事が無い限り1次リーグ突破は難しいのだ。これは初戦が終わるか否かの段階でFacebookに投稿したので良く覚えている。日本はアジア予選を勝ち抜いて世界で一番最初に本戦出場を決めた。そのアジア予選勝ち抜けの国々がFIFAランクで何位なのか?イランが筆頭で43位、日本46位、韓国が57位、オーストラリアが62位。アジア勢が勝つのは非常に難しいのだ。
それが証拠に、1次リーグの各グループの成績を観るが良い。人気の常に上位のスペイン、ポルトガル、イタリア、イングランドが消えてしまった以外は順当にFIFAランク上位国が勝ち抜いている。死のD組でコスタリカが急激に台頭したおかげでイングランドとイタリアが落ちたが、油断したスペイン以外は順当でFIFAランキングの正しさを裏付けている。
しかし、何故か日本のメディアはこういう事実を報道しようとはしない。むしろ逆に見事にこれを隠し通した。ワールドカップを盛り上げるのは決して悪い事ではない、TV中継の髙い放映権料を払うにはスポンサーが必要だし、関連商品の販売にも必要だろう。我々はこのお蔭で全試合を観る事が出来るのだ。しかし嘘をついてはいけない、騙してはいけない。
特に報道においては事実を告げるのがまず一番、あおり期待させるような内容は二の次だ。実際の日本の強さのレベルを隠し、国民を期待させ間違った気持ちにさせてしまう意味で、日本のメディア・マスコミは世界で最も後進国かも知れない。
特に心を痛めたのが、2敗1分けで終了した時のメディアやサポーターたちがアンケートなどでザッケローニ監督や選手たちに浴びせたコメント、解説。「監督の躊躇した采配が原因、国の代表を率いる器量も実力も無いザッケローニには元々無理だった・・・。」こういうコメントのオンパレードだった。40年以上前メキシコオリンピックの頃活躍した釜本氏に至っては「代わりに俺がやる」、サッカー解説のセルジオ越後氏も非常に厳しいコメントをザッケローニ監督に対して評していた。しかし良く考えてものを言ってほしい。現代サッカーはコンピュータで相手チームの選手一人一人の動き方、運動量を分析して癖を掴み、戦略・戦術を立てるいわば電子戦。ミサイルと宇宙からの情報で闘う現代サッカーに、甲冑と竹槍の時代の人間が出てきてどうしようというのだ?釜本氏が監督をしていた時代のガンバ大阪がどうだったか?皆よく覚えていよう。
日本チームが帰国する前の記者会見。ザッケローニ監督が辞任帰国すると聞いてメディアの前で何人の選手が涙した?過去において、トルシエ監督、ジーコ監督、オシム監督、岡田監督、これらの監督の時に選手達が涙したのを観た事が有るか?外国人監督の専属通訳が涙したのを観た事が有っただろうか?人の好い、進んで日本の文化と風俗を理解したイタリアのオッサンをこんな酷い仕打ちで帰していいのだろうか?何時から日本人はこんなに無責任なメディア・解説者たちを野放しにしてしまったのだろう?このような状況の日本にはたして新しい外国人監督が来てくれるだろうか?