2025年12月20日土曜日

団塊世代の生成AI接触レベルは個人差が相当存在すると思う。 Baby boomers think there are significant individual differences about the level of generated AI.

  昨日のこのブログでご紹介した生成AIに信頼性に関する実験は意外なほどの反響を呼んだようだ。皆さん相当気にしておられたのではないだろうかと推察した。

 昨日の生成AIテストの際にも述べたが、クリエーター=それが絵・イラストや写真・動画の作家だったり文章書き、エッセイスト、レポーターであろうと、生成AIをその作業時間短縮に活用するケースは今後も多くなるだろう。

 より早く仕事をこなし、作品点数を増やして「稼ぐ」・・・これはそういうビジネスとしてクリエイティブ作品制作を生業としているプロダクション系の職種の場合当然だと思う。

 しかし、天賦の芸術的才能で個性を売っている作家さんの場合、アイディアの発想部分、自分個性の発揮力の部分で便利だからと生成AIに頼ってばかりでは「他人のアイディアを拝借する」という意味からして「大勢からの盗作」になってしまうのではないだろうかという倫理的な危惧感を感じざるを得ない。

 一人の作品を真似して「盗作」とされる事件はマッドアマノ氏の雪山のタイヤ事件が存在する。

著名な山口特許事務所のWEBサイトより引用 https://www.ypat.gr.jp/hanrei/c-05/

 さらに最近では2回目の東京オリンピックのエンブレム事件というモノが存在する。この時のネット上での論争は「A作品・B作品の良い所を抽出して新たにC作品を作ったのだから盗作ではない・・。」という最近のクリエーター諸君の業界常識に警鐘を与えるケースだった。

https://www.jiji.com/jc/v4?id=201509emblem0001 参照

JIJI.comの記事より

 これらは単純な盗作・模倣のケースで、音楽の盗作にも通ずる誰にもわかる単純なものだ。かのThe BeatlesのGeorge Harrisonでも「My sweat load」でThe Chiffonsの「He's So Fine/1963」そっくりのメロディを使用し、後に裁判で負けている。この件団塊世代はビートルズ世代だから良く覚えていよう。

 しかし、生成AIは世界中のデジタルデータを無断使用し、デジタル処理で新しいものを作り出すって事だから、一人で渡る赤信号の危険を無くしてしまい、世の中を「赤信号、皆で渡れば怖くない」状態にしているだけなのではないだろうか?


 此処で筆者は思う。

 世のクリエーターが、アイディアの発想部分、自分個性の発揮力の部分で悩み苦しまずイージーに生成AIを借りて「楽」をしては、せっかくの己の感性とアイディア発想力、つまりクリエイティブ力がどんどん退化していくのではないかと思う。

 人間楽をして生きる事ばかりしていると予期せぬ「しっぺ返し」を食らう事に成る。

 一番良い例が「クルマ社会」だ。東京など大都会は自宅に駐車場を持ちにくいから車も普及しないし、外出しても目的地の駐車料金が高いから車利用はある一定レベルで止まっている。最近の若者は自動車免許も取らず、車も買わない(※買えない)という。

 しかし地方は団塊世代中心に高齢化が進み「便利な車は一人1台時代」が30年くらい前から激しくなってきた。今や軽自動車が地方都市・集落を走りまくっている。

 その結果日常歩かなくなり高齢化で足腰が弱り寝たきり老人が増えている。こうして健康ではなく寝たきり高齢者が激増し、慌ててウォーキングなどを始めているが、時すでに遅し。今や東京など歩かざるを得ない大都会の生活者の方が健康寿命が長くなっている様だ。

 これと同じで、人間便利になると「フィジカルが退化する」状況が次々生まれている。スマホジャンキー的に1日何時間も使用する人が陥ってる症状、AIによると以下のとおり。

身体的な影響
  • 目の健康問題: 長時間画面を見続けることで、眼精疲労、ドライアイ、視力低下などを引き起こす可能性があり、現在患者が激増しています。子供にとっては生涯影響が残るケースも増えています。
  • 姿勢の悪化(スマートフォン症候群): うつむいた姿勢での操作が続くと、首や肩の筋肉がこわばり、血流が悪くなります。これにより、肩こり、首の痛み(ストレートネック)、頭痛、めまい、吐き気などが生じることがあります。此の対象者も急増中です。
  • 睡眠障害: スマートフォンの画面から発せられる光(ブルーライトなど)や、使用による脳の興奮が原因で、寝つきが悪くなったり、睡眠の質が低下したりすることがあります。
  • 交通事故:  歩きスマホによる歩行者同士、歩行者と自転車の衝突、駅のホームで電車との接触・ホーム下へ滑落など怪我・死亡事故が増えています。 
精神的な影響・脳への影響
  • 脳疲労・認知機能の低下: スマートフォンからの過剰な視覚情報により脳が高速で処理を強いられ、脳疲労(脳過労)の状態に陥ることがあります。これにより、集中力や記憶力、感情のコントロール機能が低下する可能性があります。
  • 依存症: 使用時間の増加、使用制限時の不安やイライラなど、スマートフォン依存症(スマホ依存)は精神疾患と合併しやすく、日常生活に支障をきたす恐れがあります。
  • 子どもの発達への影響: 成長期の子どもの脳の発達に悪影響を与える可能性が指摘されており、学力低下との関連も報告されています。スマホ経由でSNSに接することの年齢制限を具体化している国も出始めています。 
これらはスエーデンの精神科医アンディッシュ・ハンセンの著書「スマホ脳」にも詳細
に出ている。

左がスマホの危険性を訴える本、右が車利用などで歩かなくなった危険を訴えている。

 人間がどんどん便利なものを発明し、その恩恵を得る事で逆に人間(動物)として退化していく様は皮肉な事だと思う。生成AIの普及でどんどんユニークなクリエーター、作品が減っていくのではないだろうかという嫌な予想が脳裏に浮かんだので今日のブログとなった。