今回の大阪万博=「2025年大阪・関西万博」あるいは「EXPO 2025」は日本で行われた国際博覧会(特別博を除く)としては1970大阪万博、2005愛知万博、に次いで3回目に当たる。
団塊世代の筆者は当然1970年の大阪、2005年の愛知共に体験している。1970年の大阪は観客として最終日に、2005年の愛知は出展企業のブース企画運営実施で・・・。
テレビ、新聞などオールドメディアは、事前に買った入場券がもう会期中入場できない!詐欺だ!と騒ぐチケット保有者達の叫びを大々的に報じたり、吉村大阪知事の得意げな様子を報じたりしているが、SNS、ネット報道では決してそうではないようだ。
過去二回の万博には大きな関わりを持って参加した筆者だが、今回の大阪万博には計画時からまったく興味が無かったし、行く気などほとんど無かった。
筆者と同じ団塊世代でこの大阪万博を計画段階から心待ちにし、なおかつ暑さと混乱の中実際に行かれた方は決して多くないのではないだろうか?子供や孫にせがまれて行った方は別として・・・。
筆者は思う。団塊世代にとって何故に1970年のあの大阪万博が強烈な印象で、今回の万博に興味が全く湧かないのか?それはその時点での年齢のせいなのか?
自分なりに前回1970年と今回2025年大阪万博を比較してみた。その結果導き出されたいくつかのポイントがこれだ。
① 1970年の大阪万博は多くの日本人が外国、外国人に接する最初の機会だった。
② アポロ11号で人類が月に降り立った直後で「宇宙・月」を身近に知る機会だった。
③ 日本人が経験する初めての長期・大型国家催事だった。
④ 歌舞音曲含めメディアの万博情報の報道量が報道枠全体の半分以上を占めた。
⑤ 日本人の健康寿命が延び今回高齢者の入場数が前回の10倍以上多かった。
これらを見ると、1970年当時と現在の日本人の姿が大きく変わったことを強く実感させられた。各メディアはまだこういった比較をしていないようだが、あれから55年経って「日本と日本人」は大きく変わったようだ。
これは当時21歳だった筆者が、今76歳、もうすぐ㐂寿77歳を迎えるという変化と相まって時代の流れを感じざるを得ない。
過去日本は大きな時代の変換点を経験している。近代では幕末ー維新の大変化、太平洋戦争の敗戦前後。人がたくさん死ぬような変化ではないが1970年~2025年の55年間はこれらに匹敵する大きな変化がスピードアップしたように思う。
中でも筆者が一番強く思うのは外国・外国人に対する日本人の在り方が大きく変わったのが1970年の大阪万博だったのではないかというポイントだ。
それまで日本国内に外人は殆ど居なかった。(※一部終戦直後占領下の日本では駐留軍兵も多かった)終戦後数年間は東京で横文字・英語の看板・標識があふれた程度だろう?
日本人の海外渡航数の経緯を観てみるとそれが良く判る。日本人が海外へ自由に行ける様になったのは前回東京オリンピック開催の1964年から、それも外貨持ち出し制限があり年に一度しか行けなかった。