NHKの良く使う言葉に「この生態はNHKが世界で初めて収録しました」あるいは「人跡未踏のこの地域に世界で初めてNHKのカメラが入りました」得意げに自慢するこのフレーズを毎回聴いていて厭らしく感ずるのは筆者だけだろうか?
ダーウインが来た!・・などでよく聞くフレーズだ。
筆者はコマーシャルで途切れ途切れになり、なおかつ反復縫いのようにダブって同じ所を数分も繰り返しながら放送する民法の番組は大嫌いだ。
特にお笑い芸人中心のバラエティ番組やクイズ番組は、1秒も画面を止めないでチャンネルを移動する。皆、金太郎飴の様でスポンサー各社も良くこんな番組に広告費を投入するのか良く判らない。余談だが筆者、広告代理店勤務中も数十年間不思議で仕方が無かった。
筆者は地上波は殆どNHKしか観ないと言って良い。あとはCS・ケーブルTVのミステリーチャンネル、アクションチャンネル、そのほか映画系の4チャンネル+Dlife程度のモノで、そのほとんどが録画して時間の空いた時に観る程度。
そのNHK的コメント式で言えば「「この生態は筆者が世界で初めて収録しました」とでも成るのだろうか?ヤマセミとカワセミが一緒に並んで飛んだ場面を、今から10年ほど前球磨川の本流で撮影している。
勿論、撮影している時現場ではヤマセミしか筆者の目には見えていない。いつもの通り河原でヤマセミの飛翔を連写していただけだ。
相当前にこのブログでもその詳細をご紹介したが、その詳細過程が印刷物になったのはこの「ヤマセミカワセミ」が最初だ。
ヤマセミとカワセミは仲が良い・・の典型。ヤマセミの幼鳥同士のやり取りを手前のカワセミが野次馬的に観ている微笑ましい人吉市の日常風景だ。
これが、たぶん誰も撮ったことが無いと思われるヤマセミとカワセミの並行飛翔。最初左ページを撮影後見た瞬間腰を抜かしそうになった。撮影時にカワセミはとても人間の眼では見えなかったのだ。最初に観た時はヤマセミがカワセミを威嚇して追いかけているものと思った。右ページで更にそれを確信した。
此の左ページで、カワセミがヤマセミに追いつかれそうになり手前にターンして逃げているのだと思い込んだ。しかし、それから約半年して再度大型液晶モニターで検証して驚いた!右ページの画面の右に小さくカラフルなカワセミが写っているではないか!
追いかけられて、威嚇されたのではなく、追い抜かれただけなのだ!今から10年前、このシリーズを撮影して、一時期ヤマセミはカワセミを威嚇すると思い込んだのが、そうでは無く仲良く並んで飛んだのだと思い始めたのだった。
ただ樹木や岩に留まっているヤマセミ、あるいはカワセミを図鑑に使えそうな奇麗な画像をアップで撮影するのではなく、今何をしているのか?どんな生態なのか?が判る瞬間画像を撮ることに集中してきた自分の考えが決して間違っていなかったと安心したシリーズだった