この一連の画像は過去において筆者が自主出版したヤマセミの写真集にも掲載した生態画像だが、リクエストが結構たまったのでこのブログ上で順を追って説明したい。
最初にこの画像を投稿した際、「こんな合成画像を出すな!」とお𠮟りを頂いた。その後いくつかの投稿を見て「申し訳なかった、まさか本当だとは思えず驚きました、陳謝します。」と言ってくださった方や、そのまま何も言わないままシカトの方も数名おられる。
場所は人吉市郊外の球磨川本流。時期は5月。
正直に言うと、シャッターを押している際は小さなカワセミの存在に全く気が付いていなかった。宿のホテルに戻ってPCで画像チェックをしていて、驚いて腰が浮き思わず椅子から転げ落ちそうになった連写カットだった。
APSCサイズのカメラだったが、フルサイズのカメラであったなれば・・と今でも思う。
同じ場所に3日間朝から晩まで通ったせいで、広い河原の最前列まで行っても、もう顔見知りのヤマセミは逃げたりしなくなっていた。
この年、ヤマセミの繁殖は遅かったのか、はたまた二番子へチャレンジしようとしていたのか不明だが5月になって崖の中腹に巣穴掘りを始めた。これを間近で撮影しようと河原へ降り、草をかき分け水辺まで出て撮影を始めたのだ。5月の太陽は思いのほか熱く、熱中症一歩手前だった。
幾度も同じようなシーンを撮影していたので、右から左へ水面を飛びぬけるヤマセミを撮ったつもりでいた結果が此の生態画像。
勿論トリミングをしているが、全体的には白いヤマセミが画面のほぼ中央にいる。
距離が少し縮まっている
カワセミが左ターンを始める瞬間ヤマセミも合わせた
手前にターンしてきたのでより距離が縮まって見えている。
更にターン、このカットで一瞬一旦連写をはずした。AF再調整の為。
その後、日なたでヤマセミだけが映っていると思っていたら、画面右にカワセミが!
カワセミを追い抜いたヤマセミはカワセミを置いてさらに加速して飛去した。
実はこの画像を観て、当初ヤマセミがカワセミを威嚇して追い詰めているのだとばかり思いこんでいた。
しかし、ヤマセミとカワセミはその後非常に仲が良いという場面に幾度も遭遇し、証拠画像を何カットも撮影できている。
「ヤマセミカワセミ」という写真集をCANONのPHOTOPRESSO(すでにシステム終了)で30冊だけ制作、懇意にしている野鳥撮影愛好家の方にお配りした。
今でも人吉市に赴けば、この2種の交流シーンが撮れないか、日々川面を見つめてしまう。
2021年9月に自費出版したもの。