2022年9月14日水曜日

どんどん肥薩線の記憶が遠くなっていくようだ。 The memory of rail way the Hisatsu Line seems to be getting farther and farther away.

  熊本県の芦北町で旅館を経営されている方が毎日投稿しているブログに、2020年の豪雨災害で被害を受け、運行停止しているJR九州の肥薩線(八代ー人吉間)の現在の様子をレポートしているものがある。

https://blog.goo.ne.jp/nozakaya/e/371ca52d50cadd31d5c123f0879afe54 

 現在は鉄路が走っていた部分のレールを外し、復旧に必要な車両ゃ重機の移動路としての確保を行っている。今の所、この復旧道路に再びレールが敷かれるか否かは分からない。

 ひょっとすると筆者が生きている間には無いかもしれない。あるいは永遠に鉄道は走らずバスによる運行になるかも知れない。これも時代の流れ、立地条件の宿命かも知れない。

 単にノスタルジー的要望・願望で大きな赤字を生み出す肥薩線の復旧は難しいと、幾度もこのブログで述べてきた。元々小学生時代からの鉄道ファンである筆者だが、こと九州管内で1~2位を争う大赤字路線肥薩線に関していえば復旧は相当難しいと考えている。

 地元の要望・要請も、ただ「お願い」を徒党を組んで声高に述べるだけではなく、どうやって赤字を解消するかの具体策を持って要請しなければだめだろう?

 例えば、自分たちは年間10回はこうする(=例えば熊本や八代に行くのに駅まで車で行って肥薩線を利用する)、熊本や八代から駅に車を停めて鉄道で人吉駅から入る観光客にのみ数々の特典(球磨焼酎など)を提供など、その効果測定・経済効果測定も添えて・・。

例えばこういった具体的工夫案を持って要望しなければ話は前に進まないと思う。この辺り地元のメディアも何故啓蒙しないのだろう?

 この件はまた詳しく意見を述べてみたい。 

 この田中さんのレポートに出て来る「白石駅」で、ちょうど2020年7月4日の豪雨災害の4か月前、3月上旬にSL人吉号の試運転と遭遇した事があった。別にその日其処を通ると知っていた訳ではない。

 其処に居た理由は「コウライアイサ」を探して撮影するのが目的だったのだ。2年前からこの白石駅の傍の神瀬橋(こうのせばし)附近に羽根を痛めて飛べないコウライアイサという非常に珍しい水鳥(全国で年間数羽の目撃情報しかない冬鳥)が住んでいて、何とかたくましく生きながらえていたのだ。

 この時は雨も降っていて、しばらく探したがコウライアイサは発見できなかった。

 で、探しているうちにあの独特の石炭の燃える匂い、煙の臭いがしたので白石駅を遠くから覗いたら、SL人吉号を牽引するハチロクがものすごい煙を上げて人吉に向かって停車している所だった。

 元来、小学校時代から鉄道の写真撮影をしていて筆者は、これも何かのご縁だろうと思い小雨の中驀進してくるSL人吉号をコンデジカメラで撮影したのだった。何故コンデジなのかというと、この先まだいくらでもSL人吉号は撮影出来ると思ったのだ。

 ただ小雨で、蒸気がいつもよりはっきり出るので絵になるかな?と撮影した次第。

 雨にもかかわらず、情報を調べて撮影に来られた方が三名も居たのには驚かされた。鉄道撮影ファンは全国に居るのが良く理解出来た日だった。


上のGooglemapストリートビューで観られる現在の白石駅(レールが外され復興車用道路に成っている)と、洪水4か月に撮影した白石駅の画像比較。



気温が低く湿度が高いとこういった蒸気・煙が力強く見える。

手前に2名、向こうのプラットホームに1名、余程の鉄道ファンだろう。


SL人吉号は最後尾からDH10がプッシュしていた。

この時の様子を自費出版のミニ写真集表紙に使ってみた。