2022年4月3日日曜日

団塊世代は70歳を越えて己の健康に神経質になったようだ。 The baby-boomer generation seems to have be nervous about their own health become over the age of 70.

  若い時にありとあらゆるスポーツをやって楽しんだ団塊世代。特に筆者は激しいジャンルの種目を楽しんできた。空を飛ぶ事と高い所からジャンプしたり岩にしがみついて直登したりだけはしなかったが、板子一枚下は海のウインドサーフィンやボルトが取れてビンディング(=留め金)が破損してブーツと板が外れれば、板が回って即ねじれ骨折のスキー(ゲレンデ・クロカン含む)やスノーボードを長年楽しんだ。

 また硬質ゴム製の円形パックが飛んで来たり、長いスティックで顔面を叩かれて怪我連続のアイスホッケー、脳震盪や前歯を5本欠くなど恐怖のアイスホッケーも東京都の社会人リーグで4年以上続けたりしている。

 ただ、こうした激しいスポーツを続けた原因は、プロになりたいとか、頭が悪いから脳を使うより体で稼ごうと思ったわけではない。原因は生まれついての先天性弱視に在る。

 我が両親は、終戦時江田島海軍兵学校の教官(教育系中尉)だった父の赴任先、江田島の官舎住まいだった。昭和20年8月6日の広島原爆投下の翌日、当時広島市内に疎開していたわが叔母(父の妹)を捜しに江田島から渡り1日中広島市内を歩き回ってしまったのだ。幸い奇跡的に叔母は崩壊した家の屋根の隙間で生きていたが、旦那は直撃を受け亡くなった。

 その原爆の放射線を体一杯浴びた両親から3年後に生まれた影響か、筆者の左目は生まれつき視力が0.1もなかった。逆に右は2.0もあり、5歳の時に連れていかれた御茶ノ水の順天堂大学病院で「この子は極端な視力差の為、近い将来寄り目・斜視に成る可能性が非常に高い」と言われた。

 それで、どうすればそれを防げるかという問いに医者は「運動をさせなさい、特に球技など両目でボールを追うスポーツを・・。」という事で、我が父は筆者が小さい時からほぼ毎日キャッチボールをしてくれた。これは大正解だったようだ。

 北九州の小倉市(当時)の小学校時代はソフトボール(野球のつもり)やサッカーを盛んにやり走りまくったのもこれらの理由だった。勿論筆者自身はそれが眼の為だとはこれっぽっちも思ってはいなかったが・・・。

 片目の視力が殆ど無いのに、眼鏡をかけない理由は自分が一番よく知っていた。どんなメガネをかけても、掛けないより見え難いのが判っていたから・・・。

 普段の生活でほかの普通の人と違うのは、双眼鏡を観た際の視界だろうか?筆者は左半分がボケてかすみ、右半分がくっきり見える横型のひょうたんのように景色が見える。説明しにくいがボケた左の円と、はっきり見える右の丸い円が中央部で少し重なるのだ。普通に生活する分にはそうはならない。日常普通に景色を見ると、なぜか自分の低い鼻が左下に常に半分透けて右目で見えるのだ。普通の人はどう見えているのだろう?

 で、視力は50歳くらいまで裸眼で2.0~1.5、非常に良い視力=遠視で通って来たのだが、老眼が始まった45歳くらいから老眼用のメガネを使用しだし、60歳を越えてからは乱視が入って来たらしく遠視だった裸眼の視力が少しおかしくなった。

 眼科で精密検査をしたら視力は1.5だが乱視が進んだので眼鏡をかけた方が楽ですよ…と言われ、常時使用の遠方用眼鏡を造って昔通りの良い視力に成った。それでも自動車運転免許は今まで裸眼で通せている。

レイバンのサングラス・シューターのレンズを入れ替えてもらった。ツルの部分がしっかり耳に掛かる(現在は製造中止)ので野鳥探索の際に、走ったり激しく動いてもメガネがずれたり外れたりしないので重宝なのだ。

 それが、年に一度の定期健診・半日ドックでここ5年視力が落ちて来た。毎回いい加減な視力検査の簡易機械で測定され1.2、1.0、0.9と下がっていく事にショックを受けながらも「これが老いというものか、まあ仕方がないのかも・・。」と思っていたのだ。

 しかし2年前2020年2月頃から新型コロナ禍でマスクをする様になり、寒い日の出時の愛犬散歩でマスクをするとメガネが曇って曇って仕方がなく、1年経った昨年の2月のある日眼鏡をはずしてみて驚いた。

 なんと!思いのほか景色がくっきり見えるではないか?「えっ・何これ?」状態だった。

 これは意外だった。歳を重ねて乱視が少し戻ったような気がした。更に調子に乘って眼球運動と言って目の玉をグルグル回して景色を見続ける事を毎朝するようにした。約3分間歩きながら目の玉をグルグルさせたり左右に一杯往復させるのだ。

 これはメガネを作ってもらっている上の御徒町の369という眼鏡屋さんの斎藤社長さんに教わったのだった。同時に風景画家や写真家の人は視力が落ちない・・とも聴いて喜んだ。御徒町の369、眼の話のあまりに科学的な事に驚かされる。http://www.369plus.com/  

 筆者はご存じの通り野鳥の撮影を2006年から15年以上続けている。肉眼で野鳥を捜し、ファインダーで野鳥を確認し、その都度カメラの設定(シャッタースピード・絞り・ISO感度)調整を行うため目の前のカメラの細かい数値を見る。撮影なんてこれの繰り返しだ。

 一方、風景画家は遠くの景色とスケッチブックなりキャンバスを目で追う事の繰り返しだから、写真撮影者同様遠くと近くの眼球運動を繰り返している訳だ。

 つまりピント調整の眼球筋肉が劣化して固まらず、常にストレッチを繰り返す事で健全に機能を続けるという事らしい。液晶画面(TVやスマホ)で映画やゲームを一心不乱に見続ける事が一番悪い様だ。筆者の場合パソコンを1日に8時間以上見続ける事もあるが、手元のキーボードと60㎝離れた液晶画面を交互に視ているので問題はない様だ。

 これがキーボードをノータッチ、あっ違った!ノールックで打てるように成ったら危ないかも、絶対成らないけれど。

 この外へ出る際は眼鏡をかけない状態で1年を過ごし、今年の半日人間ドックへ行って計ったら一昨年0,9だった視力が1.2まで戻っているではないか?これには狂喜乱舞だったが「白内障の疑い」と注意書きされていた。

2021年は別の病院だったが視力検査は0.9だった。

 「白内障?なんだそれ?」とネットでググったらいろいろ書いてあり手術で治るともある。しかし筆者は片目しか見えない、手術が失敗したら重度の身障者に成ってしまう。パラリンピックを目指すには遅すぎるし、これにはさすがにショックで10年前行った大病院の眼科に即予約を入れて精密検査をしてもらった。

10年ぶりの眼科専門医に診てもらった。

 結果を先に言おう。白内障に関しては全然問題ないって事だった。しかも乱視矯正後ちゃんとした最新の機械での視力測定で右目1.5、左目1.125という事だった。これは嬉しかった。

 眼科の医者が、「73歳でこれだけの視力を保てているのは珍しいので‥」と生活習慣をあれやこれや訊かれた。

 其処で野鳥の写真をかれこれ16年以上撮ってます・・と言ったとたん「そーですか!やっぱりねぇ?」とえらく納得し何度もうなづいていた。369眼鏡店で斎藤社長に教わった事そのままだった。

 スマホは1日に2分も観ないし、ゲームとかの為に液晶画面はほとんど見ないし、パソコンも24インチの大画面を専用のメガネで観ているし、ブルーライトカットのアプリ入れているし・・。と説明したらいちいちうなづいていた。

 更にたたみ掛けるように、撮影もあるしジョギングもあるので1日平均1万歩以上歩くようにしているとスマホの歩数計見せたら、「それです!アウトドアで景色を見ながら歩くことが眼に一番良いんです!」との事だった。

 73歳に成ったものの、やはり隠居せず動物の様に徘徊する事が健康キープの源と知ったのが此処数か月で一番自分自身「腑に落ちた」事だった。